日本電波工業は、「MWE 2016」で、ネットワーク機器などの用途に向けたマルチモード水晶発振器として、新たに開発した小型品と高精度品を展示した。
日本電波工業は、「MWE(Microwave Workshops&Exhibition) 2016」(2016年11月30日〜12月2日、パシフィコ横浜)で、ネットワーク機器などの用途に向けたマルチモード水晶発振器の新製品や、非接触による心拍検知などの用途に向けた76GHz帯ミリ波発振源などを展示した。
マルチモード水晶発振器は、周波数変更機能を備え、選択オプションを組み合わせることで出力レベルや電源電圧などの仕様をカスタマイズできる水晶発振器である。周波数範囲は15MHzから最大2.1GHzまで対応し、位相ジッタは130fs(代表値)を実現している。
新たに開発したマルチモード水晶発振器は、3225(外形寸法は3.2×2.5×0.9mm)サイズの「小型品」と、総合周波数許容偏差が最大±4.6×10-6という「高精度品」の2種類である。ネットワーク機器の小型化や、ジッタの小さい高精度な発振源に対する要求に応えた。小型品は2017年1月より、高精度品は2017年2月より、それぞれサンプル出荷を始める予定だ。
周波数の選択機能は、「2波選択」や「4波選択」、ユーザー側でI2Cを介して周波数設定が可能な「AnyRate」および「選択機能なし」を用意している。例えば、2波選択が設定された製品では、電圧を「ハイ」もしくは「ロー」に切り替えることで、必要な周波数に対応することができる。
「システム設計段階で、最終的に動作周波数などが確定していない場合などに有用だ。マルチモード発振器を用いると、早期にハードウェア開発とシステム評価を行うことができ、仕様の変更などにも柔軟に対応することが可能である」(説明員)と話す。
同社のマルチモード水晶発振器は、パッケージとして新製品の3225サイズの他、「7050」と「5032」サイズを用意している。3225サイズは5032サイズに比べて体積を63%も削減した。一方、高精度品は、Stratum3規格/ITU-T TR-G8262規格に対応した製品で、周波数温度特性は最大±0.28×10-6を実現しているという。
この他、心拍検知を非接触で行うことができるミリ波センサーなどの用途に向けた67GHz帯ガンダイオード発振器などもデモ展示した。
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