高精度、高速応答の低電圧対応COT制御DC-DCコン:1V以下動作FPGA、マイコン向け(2/2 ページ)
高速応答性についても、入力電圧5.0V、出力電圧1.8Vの条件下で負荷電流を100mAから2Aに変動させた場合、リップル電圧は20mV、3マイクロ秒で1.8V出力に収束する応答特性を実現(発振周波数3.0MHz品)。電流モード/PWM制御方式の従来品と比べ、リップル電圧は8分の1程度、応答性は10倍程度とする。
「XC9273シリーズ」(右)と従来DC-DCコンバーター(左)での負荷変動応答の比較 (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター
「XC9273シリーズ」のレファレンス基板。小さく、少ない外付け部品でPOL電源回路を構成できる (クリックで拡大)
高精度化、高速負荷応答特性により、負荷容量を小さくできる。発振周波数3MHz品であれば、0.22μHの小型インダクターが使え、出入力コンデンサー容量も47μFで済む。「他のCOT制御方式DC-DCコンバーターと比較して、外付け部品を削減でき、実装面積を35%程度、削減できる」(トレックス)とする。
HiSAT-COTの大きな特長である周波数安定性についても、オン時間調整を行う回路を改良するなどして改善。「PWM制御のDC-DCコンバーターと同じノイズ対策で使用できるレベルの安定性を実現している」という。
電流モード制御を用いた従来品(左)と「XC9273シリーズ」(右)の周波数安定性の比較 (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター
「XC9273シリーズ」の変換効率特性 (クリックで拡大) 出典:トレックス・セミコンダクター
その他、XC9273シリーズは、放電抵抗を用いた出力コンデンサーのディスチャージ機能よりも速くディスチャージが行え、後段の誤動作を防げるソフトオフ機能や、短絡保護機能モードとして、短絡状態が続いた場合に一定期間動作停止状態に入って過度な温度上昇、過負荷状態を防ぐHiccupモードを備えた。
パッケージは、4×4mmサイズのQFNを採用。発振周波数3.0MHz品と1.2MHz品がある。既に量産を開始し、サンプル価格は100円(税別)となっている。第2世代HiSAT-COT技術を用いたDC-DCコンバーター製品としては、XC9273シリーズ以外にも、最大6A出力の「XC9266シリーズ」の量産も実施している。
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