Fan氏は、「コントローラには、SD仕様の最新機能をサポートすることだけでなく、最先端のNAND技術をサポートし、将来のNAND関連の要件についても予測することが求められる。当社は、コントローラが重要な役割を担う、2つのイノベーション分野に注目している。1つは、SDカードが今後、機能やアプリケーション、性能などの面で進化を遂げていくという点。もう1つは、コントローラが今後、アプリケーションとNAND技術との間のギャップを埋めることを求められるようになるという点だ」と述べている。
SDAの会長であるBrian Kumagai氏は、「SDカードとコントローラに関しては今後も、どちらが後か先か分からないような動的な状況が続くだろう。新しい規格や機能を策定するのはSDAだが、こうしたすべての機能を実装し、仕様において求められる速度を達成するかどうかは、コントローラメーカーに委ねられている。エコシステムが進化し続けるためには、SDコントローラメーカーの経営幹部たちが、SDAの活動に積極的に参加していく必要がある」と述べる。
Kumagai氏は、「コントローラの開発は、特にランダム性能やコマンドキュー機能に大きな焦点が当てられている5.0/6.0仕様を進展させていく上で、重要な鍵となる。SDAは、SSD分野において広く普及しているさまざまな仕様を策定してきた。こうしたノウハウは、コントローラ開発メーカーにとっての差別化要因となる」と述べている。
SDAは、カードやインタフェースが最終的に劇的な変化を遂げることになったとしても、SDカードの中でも特にモバイルデバイス向けA2対応microSDが引き続き成長を遂げ、新たなチャンスを見出すことができると考えているようだ。Kumagai氏は、「特に完全な組み込みオプションの場合、桁違いのコストがかかりすぎ、大量の写真や4Kビデオに対応できない可能性があることから、標準規格や、自動車、監視用アプリケーションなどのmicroSDフォームファクタに関するメリットが、広く認識されるようになってきた。microSDを置き換えられるような製品は、今のところ見当たらない」と主張する。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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