国内外のキーパーソンがHDD産業や技術の動向について講演する、国内唯一にして最大のイベント「国際ディスクフォーラム」。2017年度の開催概要がついに発表された。
HDD産業に関する業界団体IDEMA JAPAN(日本HDD協会)は毎年、HDDの産業と技術に関する講演会「国際ディスクフォーラム」を開催してきた。今年(2017年)の開催概要がこのほど決定した。8月31日と9月1日の2日間にわたって、東京都大田区の大田区産業プラザ(京浜急行電鉄京急蒲田駅から徒歩約5分)で開催される。会場は前回と同じ場所であり、会期も前回と同じ2日間である。
「国際ディスクフォーラム」はHDDの技術と産業、市場の動向を一気に把握できる、国内唯一かつ最大のイベントだと言える。2日間にわたって国内のキーパーソンによる講演はもちろんのこと、海外からキーパーソンが来日しての講演が予定されている。例えば二大HDDサプライヤーのWestern DigitalとSeagate Technologyの幹部が来日し、業界動向や事業戦略などを解説する。またデータセンターやクラウド、映像、セキュリティといったHDDの応用分野からの講演がある。
2日間の講演会はおおむね、初日が海外企業による講演、2日目が日本企業による講演となっている。講演に使われる言語は英語あるいは日本語で、いずれも通訳はつかない。通訳がないという点では、いささかハードルが高いかもしれない。
初日は主催者によるあいさつの後、大手HDDサプライヤーのSeagate TechnologyでシニアバイスプレジデントをつとめるBS Te氏が、コンピュータの変革とデータの生成と保存、ストレージ(HDDとフラッシュメモリ)動向、HDD技術動向について講演する。
続いて市場調査会社のIDC(International Data Corporation)でHDD担当リサーチバイスプレジデントを務めるJohn Rydning氏が、2025年のデータ時代を調査した結果を報告する。なおこの調査は、Seagateの支援によって実施された。
昼食休憩を挟んで午後はまず、市場調査会社のTRENDFOCUSでバイスプレジデントを務めるJohn Chen氏が、HDD市場とSSD(Solid State Drive)市場を今後5年にわたって展望する。
続いてストレージとネットワークの国際的な業界団体SNIAの日本支部で会長を務める菊地宏臣氏が、エンタープライズ向けストレージ技術の変遷について述べる。
それから休憩を挟んで、大手HDDサプライヤーのWestern Digitalでバイスプレジデントを務めるBrendan Collins氏が、クラウド時代のHDDソリューションとSSDソリューションを解説する。さらに、日本マイクロソフト マイクロテクノロジーセンター長の澤円氏が、クラウドを支えるデータセンターの内部構造を説明する。
そして当日の講演者全員が参加する、パネル討論会が予定されている。例年、会場の聴講者から事前に質問を募っており、今年(2017年)も事前に募った質問に対して講演者が回答していくと思われる。なお、パネル討論会の後は、懇親会が予定されている。懇親会の会場は講演会場の隣室となる予定だ。
ここまでで初日は完了である。2日目の講演概要については、後編でご紹介したい。
(後編に続く)
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