パナソニックは、電動車いすを使ったサービスの公開実証も始める。電動車いすの開発を手掛けるWHILLとパナソニックが共同開発している「WHILL NEXT」を使ったサービスだ。Wi-Fiに接続したスマートフォンの専用アプリで呼び出すと、WHILL NEXTは自動でそのユーザーの元に行き、チェックインカウンターやゲートなどの目的地まで運ぶと、再び自動で元の場所に戻っていく。
WHILL NEXTには、空港の地図情報が搭載されている。アプリで呼び出すと、スマートフォンからWi-Fi経由で送信される位置情報と、自己の位置情報を基に、最適なルートを探しながら、呼び出したユーザーの元へと移動する。2個のレーザーレンジセンサーと2個の超音波センサーを搭載しているので、周囲の物体を検知しながら進むことができ、目の前に物体がある場合には自動で停止する(関連記事:「2020年、空港はテクノロジーでどう変わるのか」)。
車いす利用者は、チェックインカウンターで自分の車いすを預けた後は、空港やエアラインが貸し出す車いすを利用する場合が多いという。その際、スタッフが付きっきりになるケースもあるので、車いす利用者とスタッフの双方の負担をいかに軽減できるかは、常に課題となっている。特に、2020年の東京パラリンピック開催時には、空港の利用客のうち、車いすを利用する人の割合が一気に増加することが予想されるため、早急な対策が必要だ。今回の公開実証では、5台ほどのWHILL NEXTを使い、出国後のエリアで実際に使ってもらう実証実験を検討しているという。
公開実証は2017年度末まで行う予定で、それぞれのサービスを導入するかは、TIATが2018年度以降に判断する。正式に導入を決定したら、実運用を開始する予定だ。TIAT 旅客サービス部 部長の太田冬彦氏は、「空港は、最先端のテクノロジーを発信する場所としても有効だと考えている」と述べ、羽田空港の国際線ターミナルが、ユニバーサルデザインを取り入れた、より使いやすい空港へと進化していくことを強調した。
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