IHS Markitは、発売されたばかりのApple「iPhone 8 Plus」を分解し、BOMコストを分析した。その見積もりによれば、iPhone 8 PlusのBOMコストは288.08米ドルで、これまでのiPhoneの中で最も高いという。
2017年9月22日に発売されたAppleの新型スマートフォン「iPhone 8 Plus」。市場調査会社のIHS Markitが分解してBOM(Bill of Materials)を調査したところ、容量64GバイトのiPhone 8 PlusのBOMコストは、約288.08米ドルになることが分かった。IHS Markitによれば、このBOMコストは、歴代のiPhoneの中で最も高いという。
基本の製造コストである7.36米ドルを上記BOMコストに加えると、295.44米ドルになる。これは「iPhone 7 Plus」よりも17.78ドル高い値になるという。IHS Markitのコストベンチマークサービスでシニアディレクターを務めるAndrew Rassweiler氏は、「iPhone 8 Plusで追加されたコストの中で最も高価なのはNAND型フラッシュメモリと、ワイヤレス充電用の部品だ」と分析している。
iPhone 8 Plusと「iPhone 8」に搭載された部品について、幾つか大きなアップデートがある。まずは、10nmプロセスを用いて製造された「A11 Bionic」チップだ。6コア、64ビットのプロセッサで、43億個のトランジスタを集積し、ニューラルエンジンを搭載する。「Qi」に対応するワイヤレス充電用チップは今回新たに追加された機能だ。また、カメラのレンズでF1.8あるいはF2.8の開口部を実現するために、新たなセンサーも搭載されている。
IHS Markitのモバイルデバイスおよびネットワーク市場の主席アナリストを務めるWayne Lam氏は、「われわれの分析から、Appleがカメラ機能に多大な投資をしていることが分かる」とコメントしている。
IHS Markitの分析によれば、iPhone 8 Plusで最もコストが高い部品はディスプレイで、52.5米ドル。次に、筐体や背面カバーなどの部品で50.95米ドル。カメラが32.5米ドルでメモリ(NANDフラッシュとDRAM)が31.2米ドルとなっている。A11 Bionicチップは27.5米ドルとIHS Markitは見積もる。
IHS MarkitはiPhone 8についても詳細なBOMコストを分析中だ。トータルのBOMコストは247.51米ドルで、「iPhone 7」に比べて9.57米ドル上昇している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.