17年Q3の半導体売上高、1000億ドル超で好調：メモリ分野がけん引

半導体の売上高が好調だ。2017年第3四半期の売上高は1079億米ドルに達し、2017年通年も過去最高の4000億米ドルに達する可能性がある。

[Dylan McGrath，EE Times]

Q3としては初めて1000億米ドル超え

　SIA（Semiconductor Industry Association）によると、2017年第3四半期の世界半導体売上高は、第3四半期の売上高としては初めて1000億米ドルを超え、1079億米ドルに達したという。

　SIAによると、2017年第3四半期の世界半導体売上高は、9790億米ドルという、四半期の半導体売上高として最高額（当時）を記録していた同年第2四半期に比べ、10％以上増加したという。SIAは、55社以上の主要な半導体メーカーから成る団体である世界半導体市場統計（World Semiconductor Trade Statistics：WSTS）がまとめた数値を発表している。

　2017年初めから今日に至るまで、半導体売上高は2016年を20％上回る好調ぶりが続いている。半導体業界は、このままいけば2017年の売上高は記録的なものになるとほぼ確信している。具体的には、供給不足の中で驚異的な伸びを示すメモリ関連の収益に大きく後押しされる形で、2017年の半導体売上高は史上初めて4000億米ドルに達する可能性があるという。

　SIAによると、2017年9月の半導体売上高（3カ月移動平均値）も記録を更新し、前月比2％増、前年同月比22％増となる360億米ドルに達した。

　2017年9月の半導体売上高は、前月や前年同月とは異なり、全ての地域の市場で上昇したようだ。例えば、南北アメリカ地域（米州）の同売上高は、2016年9月に比べそれぞれ約6％と約41％の伸びを見せたほか、中国と欧州の同売上高も前年同月比でそれぞれ19％増加したという。

　SIAのプレジデントであるJohn Neuffer氏は、報道発表資料の中で「南北アメリカ市場の半導体売上高は、今後も引き続き際立った伸びを見せ、過去7年以上で最大の増加率（対前年比）を達成するだろう。売上高が突出して伸びる半導体製品カテゴリーとして、2017年9月に前年同月比で大幅に売り上げを伸ばしたDRAMとNAND型フラッシュメモリのほか、前年同月比で2桁成長を遂げたロジック製品が挙げられる」と述べた。

2017年9月の半導体売上高（単位：米ドル）

地域別の売上高比較
売上高（前月比）
地域	2017年8月	2017年9月	増加率
米州	75億5000万	80億	5.9％
欧州	32億2000万	32億8000万	1.8％
日本	31億3000万	31億4000万	0.5％
中国	110億8000万	113億6000万	2.5％
アジア太平洋／その他	99億8000万	101億7000万	1.9％
全体	349億6000万	359億5000万	2.8％
売上高（前年比）
地域	2016年9月	2017年9月	増加率
米州	56億8000万	80億	40.7％
欧州	27億6000万	32億8000万	19.0％
日本	28億1000万	31億4000万	11.9％
中国	94億7000万	113億6000万	19.9％
アジア太平洋／その他	87億1000万	101億7000万	16.8％
全体	294億3000万	359億5000万	2.8％
3カ月移動平均
地域	2017年4／5／6月	2017年7／8／9月	増加率
米州	65億9000万	80億	21.4％
欧州	31億6000万	32億8000万	3.7％
日本	29億8000万	31億4000万	5.5％
中国	104億	113億6000万	9.2％
アジア太平洋／その他	95億	101億7000万	7.1％
全体	326億3000万	359億5000万	10.2％
出典：SIA

　WSTSは、2017年8月に発表した最新予測の中で、2017年の半導体売上高は前年比で17％増加し、3970億米ドルに達すると、予測を上方修正している（関連記事：2017年の世界半導体市場、WSTSが上方修正）。

　なお、他の市場観測筋はより強気な見方を示している。例えば、市場調査会社のIC Insightsは先日、DRAMとNANDフラッシュの売上高の急騰に大きく後押しされる形で、2017年の半導体売上高は22％増加すると予測した。同社は、NANDフラッシュとDRAMの2017年の売上高成長率がそれぞれ44％、72％に達すると予測している。メモリ分野全体では、同成長率は58％になる見込みだという。

【翻訳：青山麻由子、編集：EE Times Japan】

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