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» 2018年03月06日 11時30分 公開

TDK+Chirp、VR/AR分野で相乗効果の発揮を狙うMWC 2018(2/2 ページ)

[Junko Yoshida,EE Times]
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ソナー・オン・チップの実現に向けて

 Kiang氏が以前EE Timesに語ったところによると、Chirpの超音波チップは近接センサーとしての用途以外にも、スマートフォンの「総ガラスでフルスクリーンのベゼルレスディスプレイ」の一要素として大いに期待できるという。Kiang氏は「例えば、Chirpの『CH-101』は視野が広いため、スマートフォンの上部や下部に取り付けた場合でも、幅広い範囲を検知することができる。スマートフォンの上部ないし下部には、マイクやスピーカーが設置されているため、設計者にとって、それらの部分にもう1つ音声センサーを加えることは容易である」と述べた。

 つまり、スマートフォン領域でToF(Time of Flight)センサーをめぐる競争が激化する中、Chirpは自社製のソナー・オン・チップを追加できるということだ。

 超音波追跡および距離測定部門でバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるDivi Gupta氏は、TDKにChirpの買収を持ちかけた人物で、Kiang氏の直属の上司になる予定だ。Gupta氏は、圧電やアルミニウム電解といった材料に関してTDKが有する専門知識は、Chirpの超音波チップが到達できる距離を増大するのに役立つと述べた。

 Chirpの超音波センサー技術は、TDKの超音波指紋センサーや既存の圧電変換器といった製品を補完するものだと考えられている。

 また、Chirpは、TDKの小型でロバストなMEMS音響製品向けのパッケージング技術も活用できる。

VR/ARシステムを大幅に強化する

 両社は、Chirpのセンサーと、TDKの慣性センサーやセンサーフュージョンソフトウェアのライブラリとの相乗効果を見いだそうとしているようだ。

 例えば、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)アプリケーション領域に目を向けると、Chirpの6-DOFコントローラー追跡ソリューションには、センサーフュージョンソフトウェアアルゴリズムが用いられている。それにより、超音波ToFデータは慣性センサー出力にリンクされ、小型コントローラーの6-DOFの位置や方向が示されるという。2社は、Chirpの超音波センシングに関する専門知識と、InvenSenseが慣性センサーやセンサーフュージョンアルゴリズムで有する専門知識を組み合わせることで、ARならびにVRシステムソリューションを大幅に強化することを目指すという。

TDKのDivi Gupta氏。同氏はTDKに、Chirpを買収するよう進言したという

【訂正:2018年3月19日15時 当初、上記の画像のキャプションが「ChirpのCEOであるMichelle Kiang氏」となっていましたが、正しくは「TDKのDivi Gupta氏」です。お詫びして訂正いたします。】

 Chirpの既存の電圧MEMS超音波トランスデューサーは、小型サイズのパッケージに長距離かつ低消費電力のセンシング機能を実現している。これらの製品は、VRやAR、モバイル機器、ウェアラブル機器、ロボティクス、ドローンなどの設計に用いられている。

 TDKのシニアディレクターで、MEMSセンサー部門のコーポレートマーケティングを担当するDavid Almoslino氏は「Chirpは、TDK固有の販売ネットワークやチャネルを活用することで、製品をより幅広くさらに深く売り込めるようになる」と述べた。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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