IDC Japanは、スマートホーム機器の2017年世界出荷台数と2022年までの市場予測を発表した。2017年の世界出荷台数は4億3310万台で、前年比27.6%の成長となった。また、同社は2018年以降の年間平均成長率(CAGR)を18.5%と予測している。
IDC Japanは、コンシューマー向けスマートホーム機器の2017年世界出荷台数と2022年までの市場予測を発表した。2017年の世界出荷台数は4億3310万台で、前年比27.6%の成長となった。また、同社は2018年以降の年間平均成長率(CAGR)を18.5%と予測しており、2022年には世界出荷台数が9億3970万台に達するとしている。
同社が今回発表した予測に含まれる機器は、スマートスピーカー、セットトップボックスやスマートテレビを含むビデオエンターテインメントデバイス、照明、温度調節器といった、家庭で用いられるIoT(モノのインターネット)デバイスとなる。
同社は2022年までの予測期間で、スマートスピーカーがスマートホーム市場で最も成長率が高い製品カテゴリーになると予測。その他のカテゴリーにおいても、ビデオエンターテインメント製品を除いて2桁のCAGRを予測している。
ビデオエンターテインメントデバイスは予測期間中、スマートホーム機器市場の売上高で約4分の3を占めており、同社はスマートテレビの価格帯が他の機器よりも高額なためと説明している。同カテゴリーの期間中CAGRは9%と予測され、他のカテゴリーの成長率と比較すると控えめな数値となっている。2017年のスマートテレビ市場をリードした企業はSamsungとLG、セットトップボックスなどのデジタルメディアアダプター市場ではAmazon、Google、Rokuが市場をけん引した。
スマートスピーカーは予測期間中、CAGRが32%と予測され最も成長が見込まれる分野だ。しかし、同市場の環境を振り返ると、Appleなど有力ブランドが続いて新規参入し、さらにAmazonやGoogleのスマートアシスタントプラットフォームを採用し独自機器を開発する企業も存在するため、同市場の競争は非常に激しいと予想されている。このカテゴリーでは、関連する収益全体の中でハードウェアの占める割合が最も小さいため、これら企業の長期事業継続性は現時点で不明瞭としている。
ホームモニタリング/セキュリティのカテゴリーは、IoTドア電子錠、カメラ、温湿度センサー、ドアベルなどの機器が対象となる。予測期間中、同カテゴリーは「出荷台数ベース」で2番目に大きいスマートホーム機器市場であるとしており、「DIY指向」でない消費者においても製品を容易に設置でき、スマートスピーカーなどのデバイスと簡単に統合できるようになると見込んでいる。
コネクテッド照明器具について、同社ではスマートホーム市場に消費者の目を向けさせる呼び水としての役割を果たす存在とみており、同カテゴリーは「非常に将来有望」(IDC Japan)としている。同カテゴリーは、2022年に35億米ドル以上の市場規模に達するとする。
NestやEcobeeなどが提供する温度調節器カテゴリーでは、成長率は高いものの市場規模が最も小さいと同社は予測する。その理由に、多くの家庭では同カテゴリー製品は1台しか用いられないこと、アジアや中東などの地域では温度調節器は利用されずエアコンや暖房器具が用いられることを挙げている。
同社は「スマートホーム市場はまだ初期の段階にすぎない。だが、今後数年間でかなり大きな成長が見込まれる。」とする。また、「スマートアシスタントは、スマートスピーカーの形式でも、温度調節器、冷蔵庫、テレビなどのデバイスに組み込まれた形式でも、急速にコンシューマーIoTの基盤になりつつある」として、スマートアシスタントのさらなる普及を予想している。
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