GaNパワーデバイスを専門に手掛けるフランスのExaganは、GaNデバイスの採用促進に向けて着実に前進している。同社は、ドイツ・ニュルンベルクで開催中のパワーエレクトロニクスの展示会「PCIM Europe 2019」(2019年5月7〜9日)に、ブース面積を前年比2倍に増やして出展している。
GaNパワーデバイスを専門に手掛けるフランスのExaganは、GaNデバイスの採用促進に向けて着実に前進している。同社は、ドイツ・ニュルンベルクで開催中のパワーエレクトロニクスの展示会「PCIM Europe 2019」(2019年5月7〜9日[現地時間])に、ブース面積を前年比2倍に増やして出展している。
Exaganは、SOI(Silicon on Insulator)ウエハーサプライヤーであるフランスSoitecと、フランスの研究開発機関CEA-Letiからスピンアウトして2014年に設立された企業だ。Exaganでプレジデント兼CEOを務めるFrédéric Dupont氏は、「当社は設立以来、順調に成長している。製品ロードマップを守って、GaNパワーデバイスを市場に投入してきた」と強調する。
Exaganは、直径8インチ(200mm)のGaN-on-Siウエハーを用いて、耐圧650VのGaNパワーFET「G-FETシリーズ」や、GaNデバイス用のゲートドライバーIC「G-DRIVE」を量産している(関連記事:8インチ基板でGaNデバイスのコスト競争力を強化)
Dupont氏は、「当社の次のフェーズは、GaNパワーデバイスを提供するだけでなく、GaNを採用したシステム設計のサポートを強化することだ」と述べる。「2019年は、チャージャーシステムでのGaN採用が本格化し、2020年以降はその動きが加速するとみている。チャージャー以外では、テレコムや、車載のOBC(On-Board Chager)で、GaNの採用が始まるだろう。こうした動きに備えてシステムの設計をサポートすることが、より重要になっている」(Dupont氏)
取り組みの一環としてExaganは2019年5月7日(フランス時間)、システム設計をサポートするセンター「GPS(GaN Power Solution) Center」を、フランスのトゥールーズに開設したと発表した。同社は2018年10月にサポートセンターを台湾に開設したが、それに続く2つ目となる。
Dupont氏は、「GaNの市場規模はまだまだ小さい」としながらも、GaNパワーデバイスについては「デバイスとしては、実際のアプリケーションに十分通用するレベルにまで達していると確信している。GaNパワーデバイスに必要なのは、市場で実績を積み信頼性を高めていくことだ。われわれは自社の技術と製品の品質に自信を持っているが、とにかく実際のシステムで使ってもらえなければ意味がない。そのためにも、GPS Centerなどを通して、GaNパワーデバイスをより使いやすいようにしていくことが、われわれの役目だと考えている」と語った。
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