特にIntelやBroadcom、Micron Technology、Qualcommなどのメーカーは、トランプ政権の禁止措置に従ってHuaweiとの取引を停止することにより、短期的には売上高が減少するとみられる。Goldman Sachsによると、2018年第3四半期だけを見ても、Huaweiが売上高全体に占める金額は、Broadcomで3億米ドル以上、Qualcommで2億3000万米ドル以上、Intelで約9000万米ドルだったという。Micron Technologyは、最近提出した規制関連の申し立ての中で、「当社の2019会計年度前期において、売上高全体に占めるHuaweiの割合は、13%だった」と述べている。
市場アナリストたちは、「株価がHuaweiに依存し過ぎている」と指摘する。中でも、QorvoやSkyworks Solutions、Keysight Technologies、Inphi、Lumentumなどのメーカーは、米国政府の禁止措置を受けて、アナリストによって格下げされている。
一部の米国メーカーは、禁止措置の後で売上高予測を修正している。オプティカル/フォトニック製品メーカーであるLumentumは、現行四半期の売上高予測を4億500万米ドルとしていたが、そこから7.4%減となる3億7500万米ドルに下方修正している。Lumentumの前四半期の売上高全体のうち、Huaweiの占める割合は18%だったという。
Huaweiの禁止措置は長期的に見ると、米国半導体業界にとって大きな一撃となる可能性がある。しかし、米国の半導体チップメーカーに対する真の影響は、Huaweiが輸出関連のブラックリストに載せられたことに対して、中国がレアアースの輸出を制限するという報復に出た場合に生じるのではないか、と強く懸念されている。貿易戦争が繰り広げられる中、Huaweiがブラックリストに載せられたことを受け、中国はここ数週間の間に、レアアースの関税を引き上げ、輸出を完全に中止すると威嚇している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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