InfineonのCOO(最高執行責任者)、Jochen Hanebeck氏は、「(新工場は)世界で最も近代的なパワー半導体のチップ工場だ。その鍵となったのが、われわれの製造技術と、高度な自動化だ」と説明した。
その製造技術の一例として強調されたのが、「300mm薄型ウエハー」だ。
同工場では厚さ約40μmと、人間の髪の毛よりも薄い300mmウエハーが製造される。フィラッハでは、約10年前に300mm薄型ウエハーでパワー半導体を製造する技術が開発された。この技術は、ドレスデン工場において、完全に自動化された大量生産にまで拡大されている。
同社によると、この技術によってウエハーの大口径化が可能になり、生産性が大幅に向上するとともに、設備投資を抑えることができるという。Hanebeck氏は、「300mm薄型ウエハーの技術はパワー半導体のためにフィラッハで開発され、ドレスデンに持ち込まれ、今また、最高のタイミングでここに帰ってきた」と語っていた。
自動化に関しては、同工場を、「デジタル化とAI(人工知能)をコンセプトに自動で稼働する学習型工場だ」と表現。主に予知保全にAIによるアプローチが活用されているといい工場をネットワーク化することによって、毎秒膨大な量が収集されるデータを活用。例えば、メンテナンスのタイミングなども自動で早期に判断されるという。
また、クラス1000のクリーンルームの天井には、長さ6kmにも及ぶ自動運搬装置のラインが走っており、ウエハーボックスの運搬が自動で行われる。クリーンルーム内の動きは全てモニターされており、同社は「各ウエハーがどこにあるか、どこに運ばれているのかをいつでも正確に把握でき、輸送ルートをできるだけ短くしたり、機器を効率的に使用することができる」と説明していた。
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