しかし現在、7nmや5nmといった最先端のCMOS製造技術世代では、技術世代やプロセス技術の異なる複数のダイによる組み合わせでシステムを構成することが最適なソリューションとなりつつある。TSMCはこのソリューションを「CSYS(Complementary Systems, SoCs and Chiplets integration、シーシス)」と呼ぶ。
「CMOS」から「CSYS(Complementary Systems, SoCs and Chiplets integration)」へ。チップレットと3次元集積技術によってムーアの法則を延命する(More Moore)、あるいはムーアの法則を超える(More-than-Moore)[クリックで拡大] 出所:TSMC(Hot Chips 33の講演「TSMC packaging technologies for chiplets and 3D」のスライドから)
システムを構成する半導体技術の例。(a)は従来のシステムLSI(SoC)。シングルダイで最大規模の回路を実現する。(b)はロジックダイにロジックダイ(あるいはメモリダイ)を積層するSoICの例。(c)はロジックダイとロジックダイ(あるいはメモリダイ)を水平方向に並べた構成。(d)は、(c)をベースにセンサーのダイや高電圧回路(HV)のダイ、ロジックダイ(あるいはメモリダイ)を積層するSoICの例[クリックで拡大] 出所:TSMC(2020年12月に開催された国際学会IEDMのショートコース「Advanced 3D System Integration Technologies」のスライドから)
欧州が欧州半導体法「European Chips Act」の策定へ
欧州委員会委員長であるUrsula von der Leyen氏が2021年9月15日(現地時間)、一般教書演説の中で、「European Chips Act(欧州半導体法)」の策定に関する発表を行った。中国政府が半導体イノベーションに数十億米ドル規模の資金を投じていることや、米国議会が半導体の戦略的価値について合意に達したことなどを受け、EUは、主体的な最先端技術の実現を目指す法案を策定し、競争に参入していく考えを表明した。