ここから、さらに畳み掛けていきます。
シバタ先生と江端で検討して、『「デマ」であると確定し』『3秒で却下した』情報について、述べます。この話であれば、別にどこぞの博士やら教授やらを持ち出してくるまでもなく、私たち2人の知識と経験だけで、十分に否定できました。
まあ、#1を真剣に主張する人間がいれば、正直「お前は、一体小学校で何を習ってきたんだ」と言いたいです。小学校で、磁性体の基本的な特性(磁石の実験)は習っていますよね。
#2については、マイクロチップうんぬんより、電磁波というものを分かっていません。筋肉注射されたマイクロチップは、体の内部に定着するかどうか不明ですし、定着した場所が分からなければ、チップから情報を取り出すこともできません。
そもそも、人間の体の70%が水分です。試しにプールの中で電波が届くか、あるいはGPSの位置情報が取得できるかを試してみてください(私が、雨の日の通信実験で、どれほど苦しめられたかを、あなたに3時間以上は語りたい)。
さて次は、シバタ先生にご助言を頂いて作成した表になります。
この辺は、既にシバタレポートのコラムで記載してきたことも含みます。しかし、厚生労働省のホームページの内容は、なんか『証拠がない』だの『科学的にありえない』だのと、あまり、私たちの心に届かない書き方をしていますので、ここでははっきりと理由を記載してみました。
シバタ先生によれば、『厳密に言えば、上記#4(2)については、細菌感染後に自分を攻撃する抗体が作られる病気(溶連菌感染後糸球体腎炎など)の類型による流産が理論上は完全否定されるわけではない(参考)のですが、コロナワクチンに限らずワクチン全般による流産の増加の報告は確認できませんでした(生ワクチンは除く)』とのことでした。
上記#5については、シバタ先生が「ワクチンと自閉症の関連を証明できたらトップジャーナルに共著者として招待したい」とおっしゃっておりますので、デマ……もとい、情報の提供源の方は、ご一報ください。New England Journal of Medicine(臨床系で世界最高の雑誌)に、あなたの名前が掲載されるかもしれません。
一方、調べていくうちに、分かってきたのですが、確かに「陰謀」はあるみたいです。ただ、その陰謀の主は、政府でも企業でもありませんでした。でたらめなニュースでPV(ページビュー)やチャネル数で利益を得る、いわゆる「フェイクニュース」の仕掛け人たちです。
コロナ関係のフェイクニュースは、ビジネスの利益が驚異的に「美味しい」のです。
『江端は、これを本当のニュースと思っているかもしれないが、実はこれ(本稿)が「フェイクニュース」である可能性だってあるだろう』と言われれば、その通りです。しかし、一つ確実に違うことがあります。
これまで一生懸命に計算して、コラムを執筆して、そのコストは時給換算にすると、200円を切っている、という事実です。
(シバタ先生については、江端からAmazon経由で御礼を差し上げているだけです。本当に申し訳ない気持ちです)。
シバタ先生の膨大なコロナに対する、データ集計や海外論文の査読に、膨大な時間がかけられていることは簡単に想像できます。私も、たった一つのシミュレーションをやるのに、100時間以上の時間を突っ込んだことがあります。これが、ほとんど「ボランティア(無償行為)」である、ということを覚えておいてください。
比して、「体が磁石になる」だの、「マイクロチップで、政府に監視される」だのとフェイク動画を作って、叫んでいるだけで、数千万から億の単位の金が入ってくるのです。これは、笑いが止まらないでしょう ―― 私は、とっととサラリーマンを辞めて、今からでも、「フェイクニュース」側に乗っかりたいくらいです。
とはいえ、「人命を危機にさらすフェイクニュース」であら稼ぎをする、というのは、どういう神経なのだろう、とは思います。少なくとも、私は、そいつらのために、フェイクニュース拡散に協力する気なんぞ、1ナノメートルすらありません。
また、フェイクニュースばかりではなく、コロナ陰謀論に便乗したビジネスもあります。
あなたが、何を信じて、どのように行動するかは、100%あなたの自由ですが、『あなたのコロナ禍の不安に付け込んで、大爆笑している奴がいる』ことだけは覚えておいてください。
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