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ルネサス、28nmプロセスの車載用マイコンを発売ゾーン/ドメインアーキテクチャ用

ルネサス エレクトロニクスは、28nmプロセス技術を用いた車載用マイコン「RH850/U2B」を発表した。2022年4月からサンプル出荷を始める。

» 2021年11月17日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

モーター制御専用のアクセラレーターIPなども搭載

 ルネサス エレクトロニクスは2021年11月、28nmプロセス技術を用いた車載用マイコン「RH850/U2B」を発表した。2022年4月からサンプル出荷を始める。

 RH850/U2Bは、自動運転車など次世代車両におけるE/E(電気/電子)アーキテクチャの要となるゾーン/ドメインコントロールやコネクテッドゲートウェイなどに向けた製品。パワートレイン向けの「RH850/Exシリーズ」とHEV/EVモーター制御向け「RH850/Cxシリーズ」の主な機能をベースに、高性能化と高機能化を図った。

 ボディー&シャシー制御システム向けの「RH850/U2A」と同様に、ハードウェアベースの仮想化支援機能も搭載している。これにより、機能安全レベル「ASIL D」までの複数ソフトウェアを相互干渉させることなく、独立して動作させることが可能になるという。

 RH850/U2Bは、動作周波数が400MHzのCPUコアを8個(うち4個はロックステップアーキテクチャ用)搭載している。ECCを含むEvita Fullに対応したセキュリティ機能を搭載し、サイバー攻撃への対策も強化した。

 QoS(Quality of Service)機能としては、全てのバスマスターに対して遅延監視と規制機能を提供することで、最小限の帯域を常に確保することができる。OTA(Over the Air)によるソフトウェアのアップデートでは、不具合が発生しても、内蔵したデュアルバンクのフラッシュメモリにより、元のデータに戻すことで安全に動作させることが可能。

 この他、モーター制御の専用アクセラレーターIP(EMU3S)を搭載、GTM v4.1やTSG3など複数の専用モーター制御タイマーと連動すれば、高速回転を実現しながらCPUの負荷を大幅に低減できるという。複雑な制御を行う時にCPUの演算負荷を軽減できるNSITEXE製データフロープロセッサ(DFP)アクセラレーターIPも搭載した。

車載用マイコンの製品群と主な用途[クリックで拡大] 出所:ルネサス

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