ディスコは2022年1月25日、2022年3月期(2021年度)第3四半期(2021年4〜12月累計)決算を発表した。旺盛な半導体需要による半導体メーカーの設備投資増を受け、売上高は前年同期比41.3%増の1802億6900万円、営業利益は同72.5%増の632億5000万円、純利益は同77.6%増の455億900万円と、「4〜12月期の業績としては過去最高を大幅に更新した」(同社)という。
ディスコは2022年1月25日、2022年3月期(2021年度)第3四半期(2021年4〜12月累計)決算を発表した。旺盛な半導体需要による半導体メーカーの設備投資増を受け、売上高は前年同期比41.3%増の1802億6900万円、営業利益は同72.5%増の632億5000万円、純利益は同77.6%増の455億900万円と、「4〜12月期の業績としては過去最高を大幅に更新した」(同社)という。
また、同社は今回、これまで非開示だった2021年度通期業績予想も発表。通期売上高は前年比32.9%増の2431億円、営業利益は同56.9%増の833億円、純利益は同54.0%増の602億円と大幅な増加率を見込んでいる。
同社は、今期の市場環境について、「半導体需要が旺盛で5G(第5世代移動通信)や自動車向け、また世界的な脱炭素への流れなどを背景に幅広い用途において半導体メーカーの設備投資意欲は強い。地域に限らず欧米も含め全体で設備投資意欲が旺盛で、当社が手掛ける半導体製造後工程の装置に対する需要は強かった」と説明している。
10〜12月の出荷額も過去最高の約684億円となっており、「2022年1〜3月期の出荷も高い水準を見込んでいる」としている。10〜12月の出荷額を用途別に前期と比べると、ダイサーは堅調なIC向けに加え、脱炭素/省エネ需要の活発化からパワー半導体向けの伸びが顕著だった。グラインダーについても、「パワー半導体向けの増加が全体を押し上げた」としている。半導体の生産数量と相関性が高い消耗品である精密加工ツールも、高い設備稼働率などを背景に「5四半期連続で過去最高の出荷を記録した」という。
10〜12月期の受注高は約800億円で、未出荷残高も約686億円と高水準になっている。同社は、生産能力の制約要因として、人手不足および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大への対策などによる業務効率の低下などを挙げ、「全力で採用は行っているが、対策の結果、なかなか出社できない社員もいるといった状況から現在の水準になっている。人員のリソースが増えれば出荷水準は上がると考えているが、未出荷残高解消は現時点ではめどはたっていない」と述べた。
なお、部材については「タイトな状況が続いている」と言及しつつも生産に影響が出ているわけではないと説明。部材価格についても上昇は見られるものの、「製品価格に占める部材の割合はだいぶ小さい。大きな影響は出ていない」と述べていた。
2021年度の設備投資については、2022年3月に研究開発と生産能力の強化に向け、約280億円で東京都大田区の不動産を購入予定であることなどから計440億円程度と、「年間では過去最高の設備投資となる見込み」としている。
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