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» 2022年03月02日 11時30分 公開

「末端」だったから下剋上も早い? 身近な電子機器の中核に入り込む中国製チップこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(60)(4/4 ページ)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
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USB-C対応のアダプターも中核は中国製チップ

 図6に、スマートフォンやリチウムイオン電池を使うガジェットの充電に使われる廉価版のUSB-C対応ACアダプターを3製品示した。

図6:廉価版のUSB-C対応ACアダプター[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 多くの部品が搭載されているが、パワーデリバリーに使う骨格となるチップは、3製品のいずれも中国半導体となっている。ここで注意してほしいのは、「中国製だからダメ」という考え方には、決してなるべきではないということだ。同様の製品が日本メーカーの車載向けユティリティ製品にも使われている(電源系の内部は一式中国半導体で構成されているものもある)。廉価版だから中国製というわけではなく、日本の大手メーカー製でも同様な事例が増えている。ぜひお問い合わせいただきたい。

 図7は、最近話題になった縦型ディスプレイ、車載用LEDイルミネーションの2機種の様子である。いずれも中国製チップがメインで使われている。ディスプレイや基板、端子も中国製である。

図7:縦型ディスプレイや車載用LEDの内部[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 今回は主に身近な製品に搭載されている中国半導体の事例を紹介した。今回報告したチップは開封解析やコスト計算も全て行っている。中国製は「しょせんは末端のチップだろう」と言う人もいるかもしれない。だが、末端で成功したものは必ず1つずつ上に登ってくる。そこに、Armなり、RISC-VなりのCPUを組み込めば、システムの中核に入ってくる可能性も大きい。米中問題やコロナなど2020年を前後して起こった世界的規模の変化では、「末端の変化」が大きいことは間違いないだろう。


執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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