図6に、スマートフォンやリチウムイオン電池を使うガジェットの充電に使われる廉価版のUSB-C対応ACアダプターを3製品示した。
多くの部品が搭載されているが、パワーデリバリーに使う骨格となるチップは、3製品のいずれも中国半導体となっている。ここで注意してほしいのは、「中国製だからダメ」という考え方には、決してなるべきではないということだ。同様の製品が日本メーカーの車載向けユティリティ製品にも使われている(電源系の内部は一式中国半導体で構成されているものもある)。廉価版だから中国製というわけではなく、日本の大手メーカー製でも同様な事例が増えている。ぜひお問い合わせいただきたい。
図7は、最近話題になった縦型ディスプレイ、車載用LEDイルミネーションの2機種の様子である。いずれも中国製チップがメインで使われている。ディスプレイや基板、端子も中国製である。
今回は主に身近な製品に搭載されている中国半導体の事例を紹介した。今回報告したチップは開封解析やコスト計算も全て行っている。中国製は「しょせんは末端のチップだろう」と言う人もいるかもしれない。だが、末端で成功したものは必ず1つずつ上に登ってくる。そこに、Armなり、RISC-VなりのCPUを組み込めば、システムの中核に入ってくる可能性も大きい。米中問題やコロナなど2020年を前後して起こった世界的規模の変化では、「末端の変化」が大きいことは間違いないだろう。
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