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2インチ高純度ダイヤモンドウエハーの量産技術開発アダマンド並木精密宝石

アダマンド並木精密宝石は、直径2インチ(約55mm)の高純度ダイヤモンドウエハーについて、量産技術を開発した。2023年に製品化の予定。量子コンピュータ用の量子メモリや超高感度磁気センサーといった用途に向ける。

» 2022年04月22日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

量子メモリや超高感度磁気センサーなどの用途を視野に

 アダマンド並木精密宝石は2022年4月、直径2インチ(約55mm)の高純度ダイヤモンドウエハーについて、量産技術を開発したと発表した。2023年に製品化の予定。量子コンピュータ用の量子メモリや超高感度磁気センサーといった用途に向ける。

量産に成功した直径2インチ高純度ダイヤモンドウエハーの外観。左下は市販の4mm角ダイヤモンドウエハー 出所:アダマンド並木精密宝石

 アダマンド並木精密宝石は、佐賀大学との共同研究により、独自のステップフロー成長法を用いて直径2インチの高品質ダイヤモンドウエハー「KENZAN Diamond」を開発したと、2021年9月に発表していた。

 この時点では、高い成長速度を実現するため、窒素ガスを用いていた。このため、ダイヤモンド結晶には数ppmの濃度の窒素不純物が混入しており、量子コンピュータ用途では用いることができなかったという。一方で市販されている超高純度ダイヤモンドは、窒素濃度が3ppb以下となっているが、ウエハーサイズが4mm角と小さく、研究用途に限られていた。

 アダマンド並木精密宝石は今回、結晶成長の工程で窒素の混入を抑え、極めて純度が高い直径2インチのダイヤモンドウエハーを量産できる技術を開発した。今後、周辺技術を確立し早期量産を目指す。

 なお、同社は2022年4月18日に、2023年1月1日付で社名を「Orbray」に変更すると発表している。

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