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» 2022年05月26日 17時15分 公開

小型高効率、GaN採用の240W USB-CチャージャーInfineon、PCIMでデモ展示

Infineon Technologiesは、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」(2022年5月10〜12日、ドイツ)において小型軽量で高効率の240W USB-Cチャージャーを実現するGaN(窒化ガリウム)ソリューションを紹介した。

[永山準,EE Times Japan]

 Infineon Technologiesは、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2022」(2022年5月10〜12日、ドイツ)において小型軽量で高効率の240W USB-Cチャージャーを実現するGaN(窒化ガリウム)ソリューションを紹介した。

左=展示していた240W USB-Cチャージャーソリューション/右=240W USB-Cチャージャーソリューションの裏面[クリックで拡大]

 USB Type-CおよびUSB PDの規格では従来100W(20V/5A)の給電が上限だったが、高まるモバイルデバイスのバッテリー大容量化および急速充電への需要に向け2021年には最大240W(48V/5A)の電源供給を可能にする新規格「USB PD Extended Power Range(EPR)」が追加された。Infineonが紹介したのは同社のGaNデバイス「Cool GaN」を用い高い電力密度と広い電力範囲を実現したデュアルアウトプットの240W USBチャージャーソリューションだ。

 下図がこのソリューションの概要だ。ケース無しの状態で42W/in3(ケースありで24W/in3)の電力密度、95.3%の高効率を、ケース無しの状態でサイズが100mmx55mmx17mm、重さは113gの小型軽量で実現している。説明担当者は、「仮にこのチャージャーをシリコンで実現した場合、3倍のサイズになるだろう」と述べていた。

240W USB-Cチャージャーソリューションの概要[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

 同ソリューションの実現にあたっては、広い入力、出力電圧範囲やPFC(力率改善)回路の要求(75W以上で必要となる)、そして熱の考慮などの課題があるなかで、「どのようなトポロジーを用いれば小型でありながら高効率を実現できるか、さまざまなシステムについて検討した」と説明した。

70℃時、1立方インチ当たり20〜25Wの電力密度をターゲットとして各システムを検証した。結果、既存のトーテムポールPFCと、PFCステージ後のDCリンクの電圧を変化させる昇圧フォロワーを組み合わせたソリューションが最適という結論になった[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

 その結果、インターリーブ方式のトーテムポールPFCとDCX、ゼロボルトスイッチング(ZVS)降圧コンバーターを組み合わせた新たなトポロジーを採用。この回路に同社の600V耐圧、オン抵抗140mΩのGaN HEMTスイッチ2個やゲートドライバーを一体化したモジュール「CoolGaN IPS(Integrated Power Stage)」および、100V耐圧、オン抵抗2.5mΩのショットキーゲートHEMTを使用。システムの最適化に加え、高スイッチング周波数で動作するGaNデバイスを用いることで、小型で高効率のソリューションを実現したとしている。

240W USB-Cチャージャーソリューションの回路図と用いたGaNデバイスの概要[クリックで拡大]

 下図は各ステージの詳細だ。400kHz以上の高周波動作や磁性部品の最適化などによりPFCステージでは97.9%、DCXステージでは98.3%、ZVS降圧コンバーターステージでは99.3%の高効率を実現した。

PFCステージ(左)、DCXステージ(中)、ZVS降圧コンバーターステージ(右)の詳細[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

 説明担当者は、「スイッチや磁性部品、トポロジーを完全に最適化することで初めて超高電力密度と超軽量化ができた。600V、100VのGaNや適切なゲートドライバーを使用したほか、レギュレーションや制御の仕組みから、いわばオペレーティングポイントごとに最も効率の良い変調方式を用いたことが重要なポイントだ」と述べていた。

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