第2四半期における在庫水準に関しては、自社在庫はDOI(Days of Inventory)が前四半期より全体で微増。自動車向け事業は前四半期と同水準、産業・インフラ・IoT向け事業は増加した形になっている。ただし、「産業・インフラ・IoT向け事業は為替による影響が大きく出る。在庫価値、原価両方から為替影響を除くと、いずれもDOIは3日程度の増加となっている」(同社)としている。販売チャンネル在庫については、自動車向けで増加した一方、産業・インフラ・IoTおよび全社合計ではWOI(Weeks of Inventory)は減少した。
自社在庫増の具体的な要因は、為替影響や原価(棚卸評価)増のほか、供給リスクのある原材料の先行発注および一部原材料の価格高騰の影響などが挙げられる。棚卸評価の影響は2022年第3四半期にも継続する見通しだ。また、仕掛品は需要増に対応したアウトソースからの購入増が主な要因。車載向けSoC(System on Chip)を中心とした「2023年も視野に入れた先行発注」によるもので、今後も先行発注を継続するとしている。一方、内製の工場を中心にダイバンク拡充も進めていく方針だ。
販売チャンネル在庫は自動車向けが在庫拡充で増加したが、「第2四半期末時点で想定する水準まで戻すことができた」と説明。第3四半期からは在庫保有水準の減少を見込んでいる。一方、産業・インフラ・IoT向けに関しては、在庫保有水準は維持される見通しだという。
前工程工場の稼働率をウエハー口径別で見ると、第2四半期は8インチがほぼフル稼働し、12インチも90%強の稼働率となったが、「これは2022年3月に発生した福島県沖地震の影響のリカバリーのために一時的に投入を増やした一過性のものだ」としている。
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