昭和電工は2022年9月7日、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体に使用されるSiCエピタキシャル(以下、SiCエピ)ウエハーについて、国内メーカーとして初めて8インチ(200mm)サイズのサンプル出荷を開始したと発表した。
昭和電工は2022年9月7日、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体に使用されるSiCエピタキシャル(以下、SiCエピ)ウエハーについて、国内メーカーとして初めて8インチ(200mm)サイズのサンプル出荷を開始したと発表した。
SiCパワー半導体は、従来のシリコンを用いたパワー半導体に比べ、電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギーに貢献する「次世代パワー半導体」として、電気自動車や再生可能エネルギーなど向けに市場が急拡大している。
SiCパワー半導体の性能に大きく関係するSiCエピウエハーには、低欠陥で安定した品質が必要となる。現在、SiCパワー半導体は主に150mm(6インチ)のSiCエピウェハーを用いて生産されているが、大口径化すれば一枚からとれるチップ数が多くなるため、デバイスメーカーでの生産性改善や、それを通じたコスト低減が期待されている。
こうした市場ニーズを背景に、昭和電工は2021年から200mm化の開発を本格化していたという。同社は、「当社は既にSiCエピウエハーで外販メーカートップの世界シェア(自社推定)を有している。今回、パートナー各社からのSiCウエハーの調達に加え、自社製のウエハーを用いた製品開発にも取り組むことで、200mmSiCエピウエハーの生産拡大や安定供給体制の構築、品質のさらなる改善を目指す」としている。
また、昭和電工は2030年までにSiCエピウエハーとその原材料であるSiCウエハーを200mmかつ欠陥密度を1桁以上低減することを目標に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業次世代デジタルインフラの構築プロジェクトの研究開発項目の1つ「次世代パワー半導体に用いるウエハー技術開発」において、「次世代グリーンパワー半導体に用いるSiCウェハ技術開発」として研究開発を進めている。
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