ミツミ事業セグメントについて、貝沼氏は「本当に『ピカピカ』になった」と強調。「2022年度の売上高は5700億円位を達成するのではないか。営業利益も500億円を超えてくるだろう」と自信を見せた。このうちアナログ半導体は2022年度の売上高を850億円と見込んでいる。アナログ半導体は2020年度から2024年度のCAGRを14.8%と急速な拡大を目指しており、現在もPCやスマートフォンなどで減速はあるものの、IGBTや車載、医療向けは堅調でフル稼働を維持。IGBTの生産能力を3倍に引き上げるべく、2021年に取得した滋賀工場の生産ライン立ち上げなどを進めている。
なお、半導体市場は現在、急速な減速が予測されているが、貝沼氏は「確かに現在受注は下がっているが、今期のオーダーは売り上げの上では、円安を加味すれば十分に入っているといえる。また、全体の市場成長率予測が下方修正される中、アナログ半導体は上方修正されている。まだまだアナログ半導体に対する需要は潜在的に非常に大きいと考えている」と述べていた。
さらに、アナログ半導体の受注数量トレンドについても自社のデータを示しつつ説明。リーマンショックや米中貿易摩擦などで大きく減少したのちも、比較的早く回復する傾向にあることから、「谷底からの脱出は近いと思っている」と説明していた。
このほか光デバイスは、生産/受注/シェアなど想定通りで、新規顧客や新事業領域への展開を図る。また、ゲームも当面は堅調維持と想定しており、期初計画は達成する見込みだ。
コネクターでは本多通信工業、2022年11月1日に子会社化したミネベアコネクト(旧住鉱テック)との3社統合によってシナジー創出を加速、車載/通信にフォーカスし、2028年度に売上高500億円、営業利益率10%を目指す。具体的には、本多通信工業の車載カメラ、ミネベアコネクトの防水性能を備えた中継コネクター、そしてミネベアミツミのカメラ用ECUといった形で、それぞれが強みをもつ製品を合わせたトータルソリューションの提供を加速していく方針だ。
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