2層目は、差異化技術を確立していくことで、短期的には市場シェアの獲得、長期的には2層目を1層目に並ぶ事業規模にまで成長させていく方針だ。収益性で課題を抱える事業も存在するため、財務体質の強化も行う。中島氏は「これまで電池事業やコネクティビティモジュール事業などでポートフォリオを見直してきた。この中期ではそれぞれの製品を強みを生かせる領域でビジネスを拡大させていき、事業全体の拡大を図りたい」と述べた。
具体的な差異化技術をまとめたのが左下図だ。買収によって取得したXBAR技術やDigital ET技術は、5Gや次世代Wi-Fi、そして6Gなどの高周波領域で競争優位性を発揮できるとしており、中島氏は、「通信市場で成長を目指す当社にとって重要な技術であり、スマホやその先のアプリケーションでも必要性が増す技術だ」と期待を見せていた。なお、これらの技術の投入時期については「2023年からサンプルあるいは少量の量産はできると思うが、戦力化するのは2024年以降と考えている」としている。
機能デバイスについてもMEMSセンサーを強化する他、エナジーパワーでは高出力で安全性が高いLFP電池を自家消費蓄電池として活用して行く方針だ。
収益性改善のためのポートフォリオ見直しについては、リチウムイオン二次電池では、スマホ向けを中心に展開していたラミネート型電池を縮小し、パワーツール向けなどで使用される出力系の円筒形電池に注力するようシフトしたことなどを例示していた。
同社は3層目について、2030年に1000億円の売り上げ規模を目指し、強みを発揮できる領域の探索を進めている。
中島氏は「社外とコラボレーションし、新しいイノベーションを生み出すには、技術を自社の引き出しにため込むのではなく積極的に見せることで、顧客やパートナーの潜在的なニーズを刺激する必要がある」と説明。右下図のような協業促進のための取り組みを実施し、ここで生まれたアイデアを事業化することで、事業の拡大を目指していくとしている。
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