STはブースにおいて、200mmの自社製SiCウエハーも展示していた。同社は2021年7月、スウェーデン拠点において試作開発用の200mm SiCバルクウエハーを製造したことを発表しており、今回展示したウエハーも同拠点の研究開発(R&D)施設で製造したものだ。なお、同社は2024年までにSiC基板の新工場を建設、SiC基板の40%以上を社内で調達するという計画を立てている。
同社は2022年10月にイタリアにSiCウエハー工場を新設するとも発表、当面は150mmウエハーの製造を行うが、将来的には200mmウエハーへの移行も予定している。説明担当者は、「われわれはSiCの基板製造へ投資を拡大し、材料からデバイス、モジュールの製造まで垂直統合型の体制を強化している。スウェーデンはSiCのR&D拠点として新世代や新材料の研究を進め、イタリアで量産を進めていく方針だ」と話していた。
また、GaN(窒化ガリウム)デバイスについても自動車部品メーカー、マレリとの協業によるレーシングカー用燃料噴射装置のプロトタイプを展示していた。同製品はSTのGaNパワー段、GaNドライバー、保護機能を集積した車載用SiP(System in Package)「STi2GaN」をモーター制御に活用したもので、GaNの高速なスイッチング周波数(100kHz)を生かし、モーターを高効率化。通常のシリコンデバイスを利用した場合と比較し、全体の効率を5%向上できるという。
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