千住金属工業は「第15回 国際カーエレクトロニクス技術展」で、低温ソルダリングソリューション「MILATERA(ミラテラ)」を紹介。その一環として、フラックスの新しい供給形式も提案した。
千住金属工業は「第15回 国際カーエレクトロニクス技術展」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)に出展し、同社の低温ソルダリングソリューション「MILATERA(ミラテラ)」を紹介した。
MIRATERAは、従来よりも約80℃低温でのはんだ付けを可能にするソリューションの総称で、材料、装置、工法の3つの技術で提供する。千住金属工業の説明担当者は「MIRATERAでは、従来の220℃よりも80℃低い139℃でのはんだ付けが可能になる。低温でのはんだ付けにより、実装工程の消費電力が下がるのでコストを削減できる。その他、作業員の負荷の低減や、部品の熱不良の低減にもつながり、製造プロセスの合理化を実現する」と述べる。
材料は、スズ-ビスマスはんだで、棒はんだ、ソルダーペースト、ヤニ入りはんだとフルにラインアップしている。「全工程をカバーするラインアップがそろっている。特に、スズ-ビスマスのヤニ入りはんだを安定的に量産、供給しているのは当社だけではないか」(千住金属工業)
装置および工法では、低温ウェーブはんだ付け装置を展示した。千住金属工業は「従来の装置で、低温ウェーブはんだ付けを行うのは難しい。どうしても基板に汚れがつきやすくなってしまう。また、低温なので、はんだが固まるまで時間がかかり、割れが生じる可能性もある」と説明する。そこで千住金属工業の装置では、冷却機能を向上した機構を追加。割れが生じにくいウェーブはんだ付けを実現したという。
さらに、フラックスの新しい供給形式として、固形フラックスと溶解装置「MTM-4L」を顧客に供給するソリューションも提案していた。フラックスは液体で販売するのが一般的だが、千住金属工業が提案する新形式では、固形フラックスと溶解装置を提供し、顧客が、必要な時に必要な量だけ、液体フラックスを製造することになる。「“出来立て”のフラックスを使用できる上に、固形であれば、運送や保管の面でも大きなメリットがある」(同社)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.