ソニーセミコンダクタソリューションズが、既存の熊本工場に近い熊本県合志市に約27万平方メートルの土地を新たに取得する予定だと明かした。今後、イメージセンサーの新工場建設が期待される。
ソニーセミコンダクタソリューションズは2023年5月25日、同日実施した事業説明会において、熊本県合志市に約27万m2の土地を新たに取得する予定だと明かした。今後、イメージセンサーの新工場建設が期待される。
同社のCEO、清水照士氏は事業説明会において、足元の不安定な市況に触れつつも、「不透明な状況の中でも長期視点に立って将来の準備を進めている」と述べ、熊本県合志市に約27万m2の土地を取得予定だと明かした。
同社が公開した画像をみると、土地取得予定地はイメージセンサーを製造する熊本工場(熊本県菊陽町)から西に1.5kmほどの土地だ。なお、熊本工場の隣接地では、TSMCの子会社でソニーも出資するJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)が工場を建設中で、2024年末までの稼働開始を目指している。ソニーはJASMからロジック半導体の供給を受ける予定だ。
ソニーの熊本新工場に関しては、これまで合志市において数千億円規模の工場建設を検討していることが複数のメディアで報じられている。2023年5月25日にも、熊本日日新聞が複数の関係者の話をもとに、「ソニーが半導体生産の新工場建設に向けて用地買収に入る」と報じていた。
清水氏は事業説明会で、2021〜2023年度の3年間の累積設備投資額が約9000億円になると見込みを示し、「次期中期経営計画(2024〜2026年度)の3年累計額も現時点で今中計とほぼ同程度必要と考えている」と明かした。その上で、「足元の不安定な市況を踏まえ、今後の需要動向を現時点で正確に見極めるのは非常に難しい。よって今後の投資計画は慎重に精査していく必要があると考えている」とも説明。新工場の着工については市場環境の変化を見ながら慎重に判断するとみられる。
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