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低消費電力で高精度のGNSSアドオンボードを発売IoT機器向け「SPRESENSE」用

ソニーセミコンダクタソリューションズは、IoT機器に向けたスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE(スプレッセンス)」用として、デュアルバンド測位に対応した低消費電力で高精度のGNSSアドオンボード「CXD5602PWBGNSS1W」を発売した。

» 2023年07月26日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

L5帯信号にも対応、より安定した位置測位が可能に

 ソニーセミコンダクタソリューションズは2023年7月、IoT機器に向けたスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE(スプレッセンス)」用として、デュアルバンド測位に対応した低消費電力で高精度のGNSSアドオンボード「CXD5602PWBGNSS1W」を発売した。

CXD5602PWBGNSS1Wの外観 CXD5602PWBGNSS1Wの外観 出所:ソニー

 CXD5602PWBGNSS1Wは、L1帯(1575.42MHz)に加え、L5帯(1176.45MHz)の信号受信にも対応した、デュアルバンド測位が可能なソニーセミコンダクタソリューションズ製GNSS受信LSI「CXD5610」を搭載している。独自の測位アルゴリズムによって、電波が届きにくい利用環境下でも高い精度で、より安定した測位が可能になるという。

 L5帯信号の新方式では、GNSS衛星と受信機の距離測定に使用する信号の単位を、従来のL1帯信号に比べ10倍細かくすることで、位置精度が向上する。衛星からの送信電力が増加することも性能改善につながっている。

 また、独自のデジタル信号処理技術の採用で、航空機用無線など妨害波による性能劣化を抑えた。さらに、低電圧動作が可能な独自の高周波アナログ回路技術を駆使することで、消費電力の低減と高い感度を両立させた。

L5帯における位置誤差の改善例[クリックで拡大] 出所:ソニー
左が従来品、右が新製品の測位例[クリックで拡大] 出所:ソニー

 CXD5602PWBGNSS1Wの外形寸法は33.0×20.6mm、I/O電圧は1.8V、受信可能な衛星はGPS、QZSS、GLONASS、SBAS、BeiDou、NavIC、Galileoである。GNSS受信感度はコールドスタート時が−149dBm、ホットスタート時が−165dBm、トラッキング時が−167dBmとなっている。初期位置算出時間はコールドスタート時が約24秒、ホットスタート時が約1秒。価格は7690円。

 同社は既に、SPRESENSE製品としてメインボード「CXD5602PWBMAIN1」や拡張ボード「CXD5602PWBEXT1」、LTE拡張ボード「CXD5602PWBLM1JUL」、カメラボード「CXD5602PWBCAM1JUL」、HDRカメラボード「CXD5602PWBCAM2W」を発売している。

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