世代転換戦略が好調、ニデックのE-Axleが初の黒字化 : 23年度1Qは過去最高益を更新 (2/2 ページ)
家電/商業/産業用向けの売上高は、発電機やクリーンエネルギー市場などのインフラ/省エネ関連での高効率モーターの需要増や為替の好影響によって、前年同期比7.3%増の2388億7900万円となった。営業利益は、2022年度に実施した固定費削減や原価改善施策、為替の好影響を受け、同72.6%増の309億500万円で、家電/商業/産業用向けとして過去最高を更新した。
家電/商業/産業用向けの四半期別業績推移(2021年度第1四半期〜2023年度第1四半期)[クリックで拡大] 出所:ニデック
精密小型モーター向けの売上高は、為替の好影響があったものの、HDD用の不調が大きく、前年同期比49.1%減の957億6000万円となった。営業利益も、固定費削減や為替の好影響はあったものの、減収による影響と製品構成の変動によるマイナスが大きく、同53.9%減の60億100万円となった。
精密小型モーター向けの四半期別業績推移(2021年度第1四半期〜2023年度第1四半期)[クリックで拡大] 出所:ニデック
永守氏は、今後のニデックの戦略について「収益性の低い事業からは撤退し、成長領域に軸を置いた経営で増収増益を目指す。また、工作機械関連など、高い収益性やシナジーが見込める分野については、今後も積極的にM&Aを行っていく」と説明した。
同氏は、成長領域として自動車分野を例に挙げ、「今後の自動車分野は、小型車が主流になると考えている。自動車分野では振動や熱の問題がついて回るが、ガソリン車からEVへの移行が進むにつれて、モーター性能の違いがますます重要になる。ニデックは、モーター事業で世界的にも強みを持っている。ニデックは今後、車載分野で強みを発揮し、目標である『2030年までに売上高10兆円を達成』に向けて成長していくだろう」と語った。
ニデックの中長期目標[クリックで拡大] 出所:ニデック
ニデック、ルネサスとの協業で次世代E-Axleの勝機を狙う
ルネサス エレクトロニクスとニデックは、EV(電気自動車)向けの次世代E-Axleを実現すべく、PoC(Proof of Concept)を共同開発する。両社は2023年6月6日の記者説明会で、協業の背景について説明した。
ソニーのイメージセンサー事業、今後の展望と成長戦略
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キオクシアの通年業績、減収減益で3年ぶりの営業赤字に
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ニデックは、同社米国子会社「ニデックモータ(NMC)」が、ブラジル航空機メーカーのEmbraer(エンブラエル)と、合弁会社を設立することで合意したと発表した。合弁会社は、空飛ぶクルマ「電動垂直離着陸航空機(eVTOL)」に向けた「電機駆動システム」の開発や供給を行う。
ルネサスとニデックが次世代E-Axleで協業へ
ルネサス エレクトロニクスとニデックは、EV(電気自動車)向けのE-Axleの半導体ソリューションでの協業に合意した。ニデックのモーター技術とルネサスの半導体技術を掛け合わせ、業界最高水準となる次世代E-Axleの実現に向け、PoC(概念実証:Proof of Concept)の共同開発を目指す。
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