2023年度上期の地域別売り上げは、日本向け中心から、中国および米国向けへのシフトが進んでいるという。中国向けはデータセンター/ネットワーク向けの特需により成長し、米国向けはスマートデバイス関連需要が増加した。
同期間の売上構成比率は、中国が前年度通期の売上高構成比率から9ポイント増の42%。米国は、上期全体では同5ポイント減の11%だったものの、2023年度第2四半期単体では前四半期比6ポイント増の15%と増加傾向にある。
2023年度上期のNRE売上高構成比率では、米国向けが前年度通期の売上高構成比率から5ポイント減の40%、中国向けが同1ポイント増の22%、日本向けが同9ポイント減の17%だった。
プロセスノード別では、5〜7nmへのシフトが進んでいるという。2023年度上期の売上高構成比率は、5〜7nmが前年度通期のデータとの比較で6ポイント増の39%、10〜16nmが前年から変化なく16%、20〜28nmが同1ポイント増の23%。NRE売上高構成比率では、5〜7nmが前年比3ポイント増の62%、10〜16nmが同6ポイント減の13%、20〜28nmが同1ポイント減の11%だった。
肥塚氏は、2024年度以降の成長予測について「2022〜2023年度は、特需や為替の影響があり大きく成長した。2024〜2025年度は、好調な商談獲得による新規量産品の売り上げ増と、特需の終了および、民生機器や中国向けの伸び悩みによるマイナス影響が打ち消しあい、全体では横ばいか、若干の減衰となる予想だ」と説明した。なお、米国による対中輸出規制のビジネスへの影響については「現時点では軽微だと考えている」とコメントした。
同社は、TSMCの車載向け3nmプロセス「N3A」を採用したADASおよび自動運転向けカスタムSoC(System on Chip)の開発に着手していて、2026年の量産開始を予定している。肥塚氏は、「2026年度以降は、現在商談獲得が好調な車載分野がけん引する形で、少なくとも数年間は2桁成長が続く見込みだ」と語った。
ソシオネクストは2023年10月、2nm世代プロセスのマルチコアCPUチップレット開発におけるArmおよびTSMCとの協業を発表している。同氏は「2024年度にArmとテストチップを開発する。しかし、あくまでもテストチップのため、商談化はテストチップの開発実績を見て判断することになる。商談化が始まった場合、まずはデータセンター/ネットワーク向けの提供を想定していて、その後、自動車向けの提供を開始することになるだろう」と述べた。
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