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2024年3月期上期 国内半導体商社 業績まとめ通期は10社が減収、12社が減益予想

半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2024年3月期上期(2023年4月〜9月)業績は、集計対象の21社のうち10社が増収増益だった。

» 2023年12月11日 14時30分 公開
[EE Times Japan]

 半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2024年3月期上期(2023年4月〜9月)業績は、集計対象の21社のうち10社が増収増益だった。一方で、2024年度通期の業績予想は、10社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も12社に上った。

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 2024年3月期上期の世界経済は、中国市場の減速やウクライナ情勢の長期化による政情不安、米中貿易摩擦など、先行き不透明な状態が継続した。一方、日本では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が5類に変わり経済活動の制限が解消されたことやインバウンド需要の回復などの影響で、緩やかに持ち直している。エレクトロニクス市場では、半導体製品の供給不足がピークを過ぎリードタイムが平常時に戻っている一方、スマートフォンやPC向けのメモリなど、一部製品の需要が減衰している。

国内主要半導体/エレクトロニクス商社2024年3月期上期業績
会社名 売上高
(百万円)
売上高
前年比(%)
営業利益
(百万円)
営業利益
前年比(%)
マクニカホールディングス 546,961 11 38,000 41.8
加賀電子 275,044 ▲7.9 13,876 ▲24.4
レスターホールディングス 245,264 2.3 7,098 ▲16.0
トーメンデバイス 183,781 ▲17.3 5,703 ▲22.5
リョーサン 147,438 ▲12.1 6,610 ▲26.6
RYODEN 129,843 2.2 4,236 ▲11.1
丸文 123,729 22.5 7,342 39.4
東京エレクトロンデバイス 119,698 7.1 7,153 8.8
立花エレテック 114,811 4.3 5,775 20.3
萩原電気ホールディングス 108,013 25 4,589 71.8
エレマテック 102,135 ▲17.1 4,556 ▲31.3
新光商事 93,629 4.7 3,388 6.7
伯東 93,223 ▲18.8 4,715 ▲34.5
サンワテクノス 88,867 5.3 3,442 4.3
三信電気 74,311 ▲10.5 2,837 ▲33.2
カナデン 53,647 17.8 1,846 39.4
たけびし 50,338 8 1,969 4.3
グローセル 35,706 6.4 626 ▲38.5
協栄産業 31,519 1.7 823 ▲24.0
イノテック 19,471 ▲1.5 854 ▲32.3
高千穂交易 12,729 14.5 713 22.2
EE Times Japan編集部調べ/2023年12月5日時点

 集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカホールディングスは増収増益だった。同社の集積回路および電子デバイス関連事業は、産業機器市場では、生産の高度化/自動化を目的としたFA(ファクトリーオートメーション)機器や工業用ロボット、半導体需要の高まりに応じた各種半導体製造装置への設備投資が継続。車載市場でも、世界的な脱炭素化の流れによるEV(電気自動車)化や、より高度な自動化/電動化を背景に、半導体需要が増している。通信インフラ市場では、生成AI(人工知能)向け製品の需要は増加した一方、サーバ需要が落ち込んだ影響を受け、メモリ等の需要が減少した。結果として、同事業の売上高は、前年同期比10.4%増の4925億円、営業利益は同45.1%増の345億円になった。

 加賀電子の電子部品事業は、部品販売ビジネスでは、前年度まで2年続いた半導体や電子部品の供給不足が緩和されたことに伴ってスポット需要が消失したことや、顧客の在庫調整の影響が顕在化したため売り上げが大きく減少。また、EMS(電子機器受託製造サービス)ビジネスでは、車載向けが半導体や電子部品の需給改善によって売り上げが伸長した一方で、医療機器や産業機器向けが主要顧客の在庫調整によって減少した。結果、同事業の売上高は前年同期比9.6%減の2425億円、営業利益は同29.1%減の117億円になった。

 レスターホールディングスのデバイス事業では、産業機器向け/車載向けの売り上げが伸長した一方で、サーバやPC向け、通信機器向けなどの販売が減少した。EMS事業では、主力のスマホ/タブレット市況の低迷により減収となった。この結果、半導体および電子部品事業の売上高は、前年同期比6.7%減の1652億円、営業利益は同44.7%減の43億円になった。

 各社の2024年3月期通期業績予想については、中国経済の回復の遅れ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による政情不安、世界的なインフレや為替変動などの不確実性などから10社が減収を予想、減益予想(純利益ベース)も12社に上った。


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