車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場は、2025年に容量ベースで約1000GWhとなる。矢野経済研究所が予測した。
矢野経済研究所は2023年12月、車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場を調査し、2025年には容量ベースで約1000GWhになるとの予測を発表した。電動車(xEV)市場は今後も成長を続ける見通しだが、その成長率に関して「Aggressive(政策ベース)」に比べ、「Conservative(市場ベース)」では低めの予想となっている。
今回の調査は、乗用車と商用車の電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)、マイルドハイブリッド車(48VのMHEV、SSV、一部12V)に搭載されるLiBを対象とした。市場の規模は、2022年までがLiBメーカーにおけるLiB出荷ベース、2023年はLiBメーカーにおけるLiB出荷ベースとxEVメーカーのxEV生産ベース、2024年以降はxEVメーカーのxEV生産ベースを基にLiB容量を算出した。調査期間は2023年8〜11月。
調査レポートによれば、2023年の車載用LiB世界市場は容量ベースで前年比124.5%の775GWhを見込む。タイプ別の内訳は、HEV向けが6.7GWh(前年比124.0%)、PHEV向けが57.5GWh(同126.0%)、EV向けが710GWh(同124.4%)とみられる。
今後の見通しについては、世界各国/地域で策定している電動車普及計画の進捗状況などによって市況は大きく異なる。そこで今回は、xEV市場を取り巻く環境を考慮し、成長率が高めの「Aggressive予測」と、成長率が低めの「Conservative予測」という2つのシナリオで成長を予測した。
Aggressive予測は、各国政府/地域のxEV普及政策がおおむね計画通りに実現されることを前提とした。この結果、車載用LiB世界市場(容量ベース)で、2025年に1248GWh、2030年に2241GWh、2035年は3614GWhに達すると予測した。
これに対しConservative予測では、xEVの使い勝手や車両価格など、消費者側のニーズも考慮し、普及拡大にはある程度の時間を要すると想定した。この結果、2025年は989GWh、2030年に1536GWh、2035年で2231GWhになると予測した。
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