IntelやSkyWater Technology(以下、SkyWater)、Amkor Technologyも、米国内で先進パッケージング能力を構築している。
Intelは2024年1月、3D(3次元)パッケージング技術『Foveros』を適用する最先端工場を、米国ニューメキシコ州リオランチョに開設したと発表した。Intelは「電力や性能、コストを最適化した複数の半導体チップを組み合わせるための柔軟な選択肢を提供する」と発表している。
Intelによるとリオランチョ工場は、同社の3D先進パッケージング技術を量産する最初のオペレーション拠点になるという。
米国の半導体メーカーSkyWaterと、インターコネクトプロバイダーDeca Technologies(以下、Deca)は2024年1月に、国内でFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)の生産能力を構築するという米国国防総省(以下、DoD:Department of Defense)の新たな取り組みについて発表した。DoDは、米国フロリダ州オセオラ郡とSkyWaterに対し、フロリダ州の製造工場に資金を提供する5年契約を授与したという。提供資金は1億2000万米ドル相当で、その中には7000万米ドルの追加投資オプションも含まれている。
SkyWaterは、米国内で初めてDecaの「Adaptive Patterning」技術のライセンス供与を受けた企業だ。DecaのFOWLP技術「Mシリーズ」の第1世代は、主要なスマートフォン向けチップで使われている。第2世代のMシリーズは、ピッチが20ミクロン以下のマルチチップアーキテクチャ向けにヘテロジニアスインテグレーションを提供する。
DoDはこうした最近のプロジェクトにより、アジアのサプライヤーに対する依存度を下げていくことができるだろう。
Purdue UniversityのSubbarayan氏は、「われわれは現在、30年間にわたって国家安全保障の優先度を軽視してきたことに対する埋め合わせを行っているのだ」と述べる。
Patti氏は、「NVIDIAの最新のAI向けGPUの設計コストは、約22億米ドルだ。チップレットやヘテロジニアスインテグレーションへの移行により、製造コストを大幅に削減できるだろう」と述べる。
「チップレットを活用することで、100万米ドルで非常に高度な2.5Dアセンブリを実現できるようになる。シリコンバレーの半導体が全盛期だった1980年代に、時間を戻すようなものだ。当時、優れたアイデアを携えてベンチャーキャピタリストを訪ねれば、500万〜1000万米ドル、または2000万米ドルもの資金を調達し、事業を手掛けることができた。プロトタイプを作るだけでなく、生産を行い、発展可能な企業を実現することができた。先進パッケージングは、われわれのビジネスの仕方を変えるのだ」(Patti氏)
Subbarayan氏は、「現在、次世代半導体チップは非常に高価なため、高いコスト効率で製造することは不可能だ」と述べ、「先進パッケージングは、コスト削減のための手段である」と指摘した。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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