三菱電機は、携帯型業務用無線機に向け、3.6V駆動で出力電力6.5Wを実現したシリコンRF高出力MOSFET「RD06LUS2」を開発、サンプル出荷を始めた。無線機の送信距離を伸ばし、消費電力の低減が可能となる。
三菱電機は2024年2月、携帯型業務用無線機に向け、3.6V駆動で出力電力6.5Wを実現したシリコンRF高出力MOSFET「RD06LUS2」を開発、サンプル出荷を始めた。無線機の送信距離を伸ばし、消費電力の低減が可能となる。
業務用無線機はこれまで、出力電圧が7.2Vのバッテリーが用いられてきた。近年は、スマートフォンなどに採用されている3.6Vバッテリーを搭載し、従来と同等の高出力を得ることができるMOSFETが求められているという。RD06LUS2はこうした要求に応えて開発した。
3.6V駆動に合わせ、オン抵抗が小さいMOSFETチップを新たに開発するとともに、2個の新型MOSFETチップをワンパッケージに集積した。これにより、3.6V駆動で出力電力6.5Wを実現した。この結果、無線機の送信距離を従来に比べ最大27%も伸ばすことができるという。ドレイン効率は65%で、無線機の消費電力を抑えることによって稼働時間も長くできる。
パッケージの外形寸法は8.0×4.9×0.75mm。従来製品を2個用いた場合に比べ、プリント基板への実装面積を33%削減することができる。チップマウンターを用いた自動実装にも対応した。サンプル価格(税込)は400円。
RD06LUS2のドライバー段として使用できるシリコンRF高出力MOSFETデバイス「RD00LUS2」も2024年3月よりサンプル出荷を始める。さらに、RD06LUS2とRD00LUS2を組み合わせた2段増幅器構成の製品評価用回路基板(EVB)および、シミュレーション用ノンリニアモデルを用意、2024年5月より提供を始める予定。
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