Yoleはメモリ市場について、3Dアーキテクチャとヘテロジニアスインテグレーションによって継続的な性能向上とビット密度の増加が実現していく、と説明している。
生成AIコンピューティングシステムの重要な構成要素であるHBMの2023年の市場シェア(HBMビット出荷シェア)は、SK hynixが54%、Samsungが43%、Micronが3%だったというが、現在これら大手メーカーの競争が激化している。Yoleは、「現在のHBM世代では、ハイブリッドボンディングはまだ使用されていない。2024年7月現在、HBMのサプライヤー3社は、フラックスレスTCB(熱圧着ボンダー)や先進的なMR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)などマイクロバンプベースのパッケージングの高度なバージョンを実装していいて、ハイブリッドボンディングの実装はHBM4E(限定的な生産)に遅らせ、HBM5世代から完全に導入する可能性があると予想している」と述べている。
またモノリシック3D DRAMについては、「長期的なDRAMスケーリングのための潜在的なソリューションとして、全ての主要DRAMメーカーによって研究されていて、主要装置サプライヤーのロードマップにも含まれている」と説明。5層から16層の最初のプロトタイプは技術会議で発表され、議論されているが、2030年までには実現しないと予想しているという。
Yoleは「HBMは、AIシステムの不可欠な構成要素で、AI時代の地政学的競争において必須の技術だ」と強調している。
米国による輸出規制によって、中国は欧米企業のハイエンドAIアクセラレーターの入手が困難となっていることから、中国は高性能AIメモリに対する膨大な需要を満たすために、独自のHBM技術を内部で開発/生産する必要が生じているというが、Yoleによると、米国の規制がこうしたチップ生産ための中国国内での大規模投資や多くのイニチアチブを引き起こしてるという。そして、中国企業による最初のHBM2製品は成熟しつつあり、現在、特定顧客によってサンプル出荷されているか、サーバ用プロセッシングユニットを含む製品開発に使用されているとも報告されているという。
Yoleは「中国企業はメモリ業界のリーダーには6年以上後れを取っているが、重要なAI技術のグリップを失うことはなく、ローエンドからミドルエンドのAIアクセラレーターに対する国内の膨大な需要を活用して成長しようと尽力している」とコメントしている。
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