村田製作所は、スマートフォンなどにおいて無線通信機能を安定させることができるアンテナ間干渉改善デバイス「Radisol(ラディソル)」を開発し、量産を始めた。
村田製作所は2024年8月5日、スマートフォンなどにおいて無線通信機能を安定させることができるアンテナ間干渉改善デバイス「Radisol(ラディソル)」を開発し、量産を始めたと発表した。
スマートフォンやウェアラブル端末には、Wi-FiやBluetooth、GPSなど複数の無線通信機能が搭載されている。これに伴い、端末に搭載される送受信用アンテナの数も増えている。このため、アンテナ間で干渉が生じアンテナの放射特性が低下するなど、課題もあった。こうした干渉を防ぐには、アンテナ同士の距離を離したり、タンク回路と呼ばれる帯域除去のフィルター機能を設けたりしているが、それでも十分な対策ではなかったという。
新たに開発したRadisol「LXTS03シリーズ」は、独自のセラミック多層技術とRF回路設計技術を用い、高精度フィルター特性と低挿入損失を両立させた。新製品をアンテナ周辺に用いると、低い挿入損失で近接するアンテナ間の干渉を防ぐことができる。また、外形寸法は0.6×0.3×0.2mm(0603サイズ)と小さく、最小限の実装スペースでアンテナ間干渉を防ぐことが可能となった。
新製品はアンテナの組み合わせをあらかじめ想定し、今回は11品種を用意した。さまざまなアンテナの組み合わせに対応するため、品種の拡充も引き続き行っていく。
なおMotorola Mobilityは、2024年8月に発売したスマートフォン「edgeシリーズ」にRadisolを搭載し、Wi-Fiアンテナの特性改善を実現しているという。
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