台湾の市場調査会社TrendForceが2025年第1四半期(1〜3月)の世界DRAM売上高の最新調査結果を発表した。それによるとSK hynixがSamsung Electronics(以下、Samsung)を抜き首位の座に就いたという。
台湾の市場調査会社TrendForceは2025年6月3日(台湾時間)、2025年第1四半期(1〜3月)の世界DRAM売上高の最新調査結果を発表した。それによると同市場は前四半期比5.5%減の270億1300万米ドルになった。この落ち込みは、従来型DRAMの契約価格の下落と広帯域幅メモリ(HBM)出荷数の減少によるものだという。ランキングではSK hynixがSamsung Electronics(以下、Samsung)を抜き首位の座に就いたという。
TrendForceによると2025年第1四半期、SamsungはHBM3E製品の再設計を行いHBM生産の逼迫を緩和。これによって川下のプレーヤーは在庫を一掃し、2024年第4四半期以来の価格下落が拡大したという。
2025年度第2四半期については、PCやスマートフォンメーカーが在庫調整を完了。90日間の米国相互関税猶予期間に向けてシステム生産を増強するため、ビット調達の勢いは大幅に強まり、サプライヤーの出荷数量は顕著に増加するとしている。また価格面でも主要アプリケーションの契約価格が回復し、従来型DRAMと複合型DRAM(HBMを含む)の契約価格が上昇すると予測している。
売上高ランキングを見ると、SK hynixは出荷数量の減少によって前四半期比7.1%の減収となったものの、HBM3Eの出荷シェアが拡大したことで、前四半期と比較してASP(平均販売価格)を維持。売上高97億1800万米ドルで、Samsungを抜き首位に躍り出た。
一方のSamsungは前四半期比19%の大幅減収となり、91億米ドルで2位に転落した。これは主に、HBM製品を中国に直接販売できなくなったことと、製品の再設計に伴い高価格帯のHBM3E出荷が大幅に減少したことが要因だという。
Micron Technologyは前四半期比2.7%増の65億7500万米ドルとなり3位を維持した。
TrendForceはまた、上位3社が先端プロセスノードに移行する中で、成熟したプロセスを使用する台湾サプライヤーが市場のギャップを埋める傾向を強めていると指摘している。ランキング4位のNanya TechnologyはDDR5製品の出荷を開始し、コンシューマー向けDRAM需要の低迷に対応。売上高は前四半期比7.5%増の2億1900万米ドルに成長した。さらに5位のWinbond Electronicsは、高密度でギガビット当たりの価格が低いLPDDR4およびDDR4製品の出荷が好調で、価格下落にもかかわらず、売上高は前四半期比22.7%増の1億4600万米ドルと大きく伸びている。
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