クラウドコンピューティングとは異なり、エッジAIアプリケーションは、性能と消費電力量、サイズ、コストのバランスをよく考える必要がある。ファウンドリーは、RF-SOI(Silicon on Insulator)やフラッシュメモリ、MEMSのような成熟ノードで製造された特定の技術と、TSVやウエハーツーウエハーハイブリッドボンディングのような先進パッケージング手法とを組み合わせることで、より高度かつ高価なプロセスノードに依存することなく、エッジAIに必要とされる性能を提供することができる。
この「特殊な技術と先進パッケージング」というアプローチを適用すれば、垂直積層における特殊なプロセスの性能を、妥当なコストで向上させられる。AIチップ設計メーカーにとっては、開発サイクルを短縮できるだけでなく、性能や歩留まりの安定性も強化することが可能だ。
エッジAIワークロードが複雑化するに伴い、高帯域幅やエネルギー効率、低レイテンシの必要性は高まる一方だ。先進パッケージングは、まさにこうした分野で最大の価値を提供する。半導体業界は、このような課題に総合的に取り組んでいく必要がある。検査装置メーカーは、マルチレイヤースタック構造に対応可能なソリューションを開発し、OSATは堅牢な量産能力を確保する必要がある。さらにシステムメーカーは、ヘテロジニアスインテグレーションへの参入障壁を下げるために設計標準化を推進しなければならない。
業界全体で先進パッケージングエコシステムを構築することにより、3Dスタッキングが次世代エッジAIアプリケーションの基礎を構築しつつある。エッジAIはチップパッケージングに関して、協業的な技術主導型のイノベーションを中心とした、全く新しい局面を迎えようとしている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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