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高出力の紫色半導体レーザーを小型パッケージで供給、26年3月から光学システムの小型・長寿命を実現

ヌヴォトン テクノロジーは、直径が5.6mmのCANパッケージ(TO-56)を採用しながら、波長402nm帯で光出力1.7Wを実現した紫色半導体レーザー「KLC435FS01WW」を開発、2026年3月より量産を始める。独自のチップ設計と放熱設計技術により、小型で高出力、長寿命を実現した。

» 2025年12月01日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

光学損失を低減する設計技術と新たな光学端面構造を採用

 ヌヴォトン テクノロジーは2025年11月、直径が5.6mmのCANパッケージ(TO-56)を採用しながら、波長402nm帯で光出力1.7Wを実現した紫色半導体レーザー「KLC435FS01WW」を開発、2026年3月より量産を始めると発表した。独自のチップ設計と放熱設計技術により、小型で高出力、長寿命を実現した。

KLC435FS01WWの外観[クリックで拡大] 出所:ヌヴォトン KLC435FS01WWの外観[クリックで拡大] 出所:ヌヴォトン

 波長402nmの紫色半導体レーザーは、水銀灯のh線に代わる光源としてレーザー直接描画装置や樹脂硬化などの用途で用いられている。近年は医療機器などに搭載するため、小型で高出力が得られる半導体レーザーのニーズも高まっているという。ただ、光出力を高めれば発熱量も増え、放熱対策のためにパッケージのサイズが大きくなるという課題もあった。

 KLC435FS01WWは、独自の設計技術によりレーザーチップ内部の光学損失を低減し、発熱を抑えた。また、強いレーザー光に耐えられる新たな光学端面構造とした。これらの技術により、業界標準のTO-56 CANパッケージを採用しながら、光出力1.7Wを実現した。同社従来品に比べ約40%も出力を向上させた。MTTF(平均故障時間)も大幅に改善できたという。

 新製品は、レーザー直接描画露光や樹脂硬化、レーザー溶接加工、3Dプリンティング、バイオメディカル、ディスプレイ、水銀灯の代替光源といった用途に向ける。

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