講演では、2024年と2030年の半導体メモリ市場を比較したスライドも示された。2024年が実績(推定)、2030年が予測である。2030年の半導体メモリ市場は2024年の約1.8倍である3020億米ドルに達すると予測した。2024年から2030年までの年平均成長率(CAGR)はおよそ10%である。
製品別ではDRAMが2024年の970億米ドルから、2030年には1940億米ドルへと2倍に拡大する。年平均成長率はおよそ12%である。DRAM市場の成長をけん引するのはHBMで、2024年の174億米ドルから、2030年には980億米ドルへと大きく増加する。HBM市場の年平均成長率は約33%と極めて高い。
NANDフラッシュメモリは2024年の680億米ドルから、2030年には1010億米ドルへと増加する。年平均成長率(CAGR)はおよそ7%で、半導体メモリ全体のCAGRである10%よりも低い。
その他の製品では、NORフラッシュメモリが2024年の29億米ドルから、2030年には41億米ドルに増加するとの予測が目立つ。NORフラッシュ以外のメモリ製品市場はあまり伸びない。
参考になったのは、HBM市場を2020年から2030年まで分析したスライドである。先述のように、2024年から2030年までの市場規模(金額)は33%と高いCAGRで成長する。これに対してビット換算出荷のCAGR(2024年〜2030年)は31%とわずかに低い。言い換えると、ビット単価が上昇する。単純計算(金額/Gバイト)だと、2024年のビット単価(Gバイト単価、実績)は11.3米ドルだったのに対し、2030年のビット単価(Gバイト単価、予測)は12.9米ドルになる。
そしてウエハー処理枚数(1カ月当たり)のCAGR(2024年〜2030年)は18%とさらに低い。ウエハー処理コストの増加分よりも、売上高の増加分が大きいことがうかがえる。
(次回に続く)
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