東芝は物質・材料研究機構(NIMS)と共同で、磁気ヘッド内のスピントルク発振素子(STO)について、発振状態を直接評価できる手法を開発した。ニアラインHDDのさらなる大容量化を可能にする「共鳴型マイクロ波アシスト磁気記録(MAS-MAMR)」技術の実用化に弾みをつける。
東芝は2026年1月、物質・材料研究機構(NIMS)と共同で、磁気ヘッド内のスピントルク発振素子(STO)について、発振状態を直接評価できる手法を開発したと発表した。ニアラインHDDのさらなる大容量化を可能にする「共鳴型マイクロ波アシスト磁気記録(MAS-MAMR)」技術の実用化に弾みをつける。
データセンター向けニアラインHDDは、今後も市場拡大が続くと予想されている。同時にさらなる大容量化への要求も高まっている。大容量化を実現するための新たな記録方式として注目されているのが、エネルギーアシスト磁気記録技術だ。こうした中で東芝は、磁気記録媒体にマイクロ波を照射するMAS-MAMR技術と、熱を加える「熱アシスト磁気記録(HAMR)」技術を開発してきた。
特にMAS-MAMRでは、独自開発の双発振型STOを採用すれば、記録能力が向上することを実証してきた。双発振型STOは、内部にある2つの磁性層が協調して発振することによって、MAS-MAMRに最適なマイクロ波を生成する。今後、HDDのさらなる大容量化に向けては、STOの発振状態を解析し、その特性を理解する必要がある。しかし、現状で発振状態を直接解析するのは極めて難しかったという。
そこで今回、評価用アンテナを用意し外部からSTOにマイクロ波を照射することで、STOの発振状態を直接評価することに成功した。これは、STOの発振と評価用アンテナから照射されるマイクロ波の同期現象に着目した手法で、STOの発振状態によって同期現象は異なる。双発振状態では同期現象が現れないため、発振状態を解明できる。発振状態によっては発振信号が複数ある場合もあるが、周波数レベルで測定できるため、最適な発振状態の周波数を特定することが可能になった。
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