熊本大学の研究グループは、固体電解質に酸化グラフェンを用いた燃料電池で、最大出力密度を0.7Wcm-2まで高めることに成功した。酸化グラフェン膜と電極との界面抵抗を大きく減少させることによって高い性能を実現した。
熊本大学産業ナノマテリアル研究所の畠山一翔助教と伊田進太郎教授らによる研究グループは2026年1月、固体電解質に酸化グラフェンを用いた燃料電池で、最大出力密度を0.7Wcm-2まで高めることに成功したと発表した。酸化グラフェン膜と電極との界面抵抗を大きく減少させることによって高い性能を実現した。
燃料電池の性能は、用いられる固体電解質に依存しているという。現在は主にフッ素系高分子が用いられているが、大きな環境負荷が課題となっている。こうした中、注目されているのが酸化グラフェンである。ただ、現状では出力密度が十分とは言えなかった。
そこで今回、酸化グラフェン膜表面を酸処理することで活性化し、その後に電極で挟み込んだ。界面設計の手法を新たに開発したことで、酸化グラフェン膜と電極との界面抵抗を低減することに成功した。交流インピーダンス法を用いて分析したところ、界面抵抗が極めて小さくなっていることを確認した。
試作した燃料電池の出力密度は、40℃で最大0.7Wcm-2を達成した。これまで報告されてきた最高値の0.25Wcm-2を大きく上回った。フッ素系高分子膜(25μm)を用いた燃料電池に匹敵する出力密度だという。なお、今回開発した界面設計手法は、酸化グラフェン膜以外のナノシート膜や高分子膜でも効果が得られることを確認した。
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燃料電池の低コスト化につながる電解質 300℃で高プロトン伝導率Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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