都内で開催されたFPGA技術セミナー「X-fest 2012」(アヴネット ジャパン主催)の展示会場で、話題のZynq評価ボード「ZedBoard(ゼドボード)」が日本のユーザーに初披露。新世代FPGAの検証が低価格で実現するこの評価ボードに、多くの来場者が熱い視線を投げ掛けた。
アヴネット ジャパンは2012年7月4日、FPGA技術セミナー「X-fest 2012」を東京・品川の東京コンファレンスセンターで開催。展示会場で話題のZynq評価ボード「ZedBoard(ゼドボード)」が日本のユーザーにお披露目された。
X-festは、FPGAを使った革新的な設計技術・手順や実装方法を体験できる実践型の技術セミナーとしてAvnet(アヴネット)が世界22カ国で開催するイベント。ソリューションベンダー各社が、新世代FPGAの実践的な設計ノウハウを座学形式のセミナーで伝授する他、ソリューションベンダーが最新ソリューションのデモを紹介する展示会場が併設されている。
この展示会場で注目を集めていたZedBoardは、AvnetとXilinx、FPGAボードメーカーのDigilentが3社で共同開発したもの。米国などではすでにお披露目されていたが、国内ではこのX-fest 2012がユーザー向けには初めての紹介となる。「まだ現時点では、国内にはこの1枚のみしか入荷されていない」(担当者)という貴重なZynq評価ボードに、多くの来場者が熱い視線を投げ掛けていた。
ZedBoardはZynqデバイスに「Zynq-7000 XC7Z020」を採用。その周辺に512MバイトのDDR3 SDRAMや256Mビットのフラッシュメモリ、4GバイトのSDメモリーカードを搭載する他、イーサネットポートやUSBポート、ディスプレイ出力、I2Sオーディオコーデックなど、豊富な機能を備えている。
ZedBoardの特徴は、なんといってもその価格だ。Xilinxの最新ソリューションであるZynqを気軽に体験できるよう、4万円を切る3万9000円という低価格で提供される。同じくZynqの評価ボードとしてXilinxから提供される「Zynq-7000 EPP ZC702 評価キット」が10万円前後なので、半額以下で新世代FPGAの検証ができるというわけだ。
「基板上の面積を一番占有するFMC(LPC)のコネクタがZedBoardでは1基しかないのと、Zynq評価ボードの上位モデルであるZC702などに比べるとメモリがやや少なくなっている。ただ、それ以外はZC702と比べても性能的にも遜色ない。インタフェースとしてPmod拡張ポートを用意しているので、ADCやDACなどのペリフェラルモジュールが簡単に拡張できる」(担当者)。
「ZedBoardは今年8月に、日本国内向けとして約50枚が入荷する予定。やっとユーザーの手元に、Zynqのプラットフォームを届けられる。これでいろいろ検証してもらい、環境的にこれではプアだなと感じたり、拡張性を求めるのならZC702にステップアップしてもらいたい」(担当者)。
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