Cypressが、FRAM開発を手掛けるRamtronの買収を発表した。Cypressは以前からRamtronの買収を試みていたが、「条件が合わない」といった理由で合意には至っていなかった。
2012年9月19日、Ramtron Internationalは数回の拒否を経て、Cypress Semiconductorによる買収に合意した。買収価格は、現金で1株あたり3.10米ドルである。この買収には、引受債務とオプションを除いて、1億980万米ドルかかる見込みだ。
Cypressは以前からRamtronに買収を申し入れていたが、条件が不十分であるとして拒否されていた。Ramtronは、ディスクリートメモリ用途のほか、内蔵型の不揮発性メモリとしても使用できるFRAM(強誘電体メモリ)技術を開発している。
2012年6月にCypressが明らかにしたところによると、同社は2011年3月にも、1株当たり3.01米ドルでRamtronの買収を試みたという。最終的な合意価格である3.10米ドルは、2012年6月11日(CypressがRamtronへの提案を公表する1日前)の終値である1.81米ドルに71%のプレミアを乗せたものである。この取引は、取引完了に必要な慣例的な条件を満たした上で、2012年末までに完了する予定だ。
Cypressでプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるT.J. Rodgers氏は、報道発表資料の中で、「RamtronのFRAM技術と、CypressのnvSRAM(不揮発性SRAM)事業、膨大な研究開発資源、実績のある高度な製造能力、世界中に広がる販売組織、大幅に拡大した流通経路を組み合わせれば、不揮発性メモリ業界で重要かつ新しい存在になることができる」と述べている。
同じ報道発表資料の中で、Ramtronの会長を務めるWilliam Howard氏は、「当社の取締役会は、株主が当社の長期的な成長見通しに価値を実感できるよう、(買収以外の)別の戦略的な検討プロセスを通じて行動方針を決定しようとした。最終的に、『それにはCypressと協力するのが一番良い』という結論にたどり着いた。取締役会は、今回の取引が、Ramtronの株主や顧客、パートナー企業、そして従業員に前向きな結果をもたらすと確信している」と語った。
【翻訳:平塚弥生、編集:EE Times Japan】
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