2013年上半期におけるグラフィックスコア「Mali」の出荷数が、既に2012年通年の出荷数を超えたという。MaliはSamsung Electronics(サムスン電子)の最新プロセッサ「Exynos 5 Octa」にも採用され、出荷数は堅調な伸びをみせている。
ARMのCEOを務めるSimon Segars氏によると、グラフィックスIPコア「Mali」の2013年の出荷数が、2012年の1億5000万個から倍増し、3億個以上に達する見込みだという。
2013年7月1日にCEOに就任したばかりのSegars氏は、就任後初となる決算発表で、アナリストらに対し、「2013年上半期のMaliの出荷数は約1億8000万個で、2012年の総出荷数を既に上回った」と述べた。ARMでは通常、下半期のIP出荷個数と売上高が上半期を上回る傾向がある。そのため、2013年通年のMaliの出荷数は、3億〜4億個に達するとみられている。
2013年2月の時点では、ARMは、同年におけるMaliの出荷数を2億4000万個以上と予測していた。また、「Maliのライセンシー(ライセンス利用者)のうち、市場に製品を投入したのはわずか25%程度だ」述べ、Maliを搭載した製品が今後さらに投入される可能性を示唆した。
2013年第2四半期におけるARMの売上高は2億6430万米ドルで、前年同期比で24%増加した。税引き前利益は、2012年第2四半期が約1億米ドル、2013年第2四半期が1億3000万米ドルだった。
Segars氏は、MaliがSamsung Electronicsの新しいプロセッサ「Exynox 5 Octa」でデザインウィンを獲得したことについても言及した。ハイエンドスマートフォンの市場が2013年第2四半期に前年比で30%成長していることに加え、エントリーレベルのスマートフォンの登場もMaliやプロセッサコア「Cortex-A」シリーズの出荷を後押ししているという。
Segars氏はEE Timesの取材に対し、「2013年は、Maliがターゲットとしている市場は特にないが、どの市場でもシェアを拡大できるよう十分なラインアップはそろえている」と述べた。同氏は、「自社でグラフィックスエンジンを開発しているSoC(System on Chip)メーカーが、アウトソーシングに移行する可能性もある」と指摘している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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