シャープは2013年9月18日、公募による新株式の発行、および、デンソー、マキタ、LIXILに対する第三者割当増資を実施し最大約1665億円の資金を調達すると発表した。調達した資金は、主に2016年3月までに計画する設備投資資金に充当する予定という。
シャープは2013年9月18日、公募による新株式の発行、および、デンソー、マキタ、LIXILの国内3企業に対する第三者割当増資を実施し最大約1665億円の資金を調達すると発表した。調達した資金の使途について、主に2016年3月までに計画する設備投資資金に充当する予定という。
今回、シャープが発表した資金調達策は、大きく2つあり、公募による新株式発行と、国内企業3社に対する第三者割当増資に分けられる。その内訳は、一般公募による新株式発行による調達予定金額が最大で約1490億円(株式4億800万株分)。国内企業3社に対する増資で、約175億円分(株式5021万8000株分)を見込む。国内企業3社に対する割当増資の内訳は、マキタが約100億円、LIXILが約50億円、デンソーが約25億円。
シャープは、電動工具大手のマキタと、これまで商品のOEM供給で取引関係があり、2013年5月に基本合意していた業務提携契約を9月18日に締結したとともに、提携範囲を拡大し、資本提携契約に締結に至った。
LIXILとも、2011年8月に家電機器と建材を融合させた製品などの企画を行う合弁会社を設立するなど業務提携関係にあり、その関係をさらに強化するため資本提携に発展させ契約を締結したという。
デンソーとは、資本提携契約ではなく、株式引受契約を結び約25億円の出資を受け入れる。同契約に至った理由としてシャープは、「プラズマクラスターイオン発生機などで取引関係のあったデンソーとの間で、デンソーが培った車載機器技術に、当社が家電開発で培った先端技術をユーザー志向で融合させることにより、両社で車の快適性、安全性、利便性を向上させる新たな価値創造を目指した協業を推進する」としている(関連記事:プラズマクラスターが取り持つ縁!? デンソーがシャープに25億円を出資)。
一連の調達策で得た資金の使途は、公募増資分の約1490億円については、「2016年3月までに計画する設備投資資金に全額を充当する予定」(シャープ)。うち500億円をディスプレイデバイス事業における中小型液晶の高精細化、歩留まり改善などの設備投資に充てる方針。また247億円については健康環境事業における東南アジア地域での製造設備の新設、増強に投資する。130億円分を重点5事業領域*)の開拓に向けた研究開発設備資金に、残る約610億円は、プロダクトビジネス、デバイスビジネスにおける投資に充当する予定としている。
*)「ヘルスケア・医療」、「ロボティクス」、「スマートホーム/モビリティ(含車載)/オフィス」、「食/水/空気の安心安全」、「教育」
国内企業3社からの調達資金は、それぞれの企業との提携分野への投資に充てる。
シャープは、2012年3月期、2013年3月期と合計で9000億円を超える最終赤字を計上し、財務面での安定性を確保するため、資金調達を相次いで実施してきた。既に、サムスン電子から104億円(関連記事:シャープがSamsungとの提携を正式発表、IGZOなどの技術関連は含まず)、クアルコムからも1億2000万米ドル(約108億円)の出資を受けている。
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