帯域幅1.34Tビット/秒! ICチップ同士を光で結んだルータの受注を開始:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
Somekh氏は、icPhotonicsとルータに関する今後の拡張計画についても触れた。シリコンICチップの帯域幅は現在、1.34Tビット/秒だが、「数年後には10Tビット/秒が可能となるだろう」と述べた。icPhotonicsの技術革新によって、ルータもより高い転送能力を低コストで実現できるとみている。
icPhotonics(左)とルータ(右)に関する今後の拡張計画 (クリックで拡大) 出典:Compass-EOS
データ通信市場においては、通信量が急激に増加している。これに伴い通信事業者は、通信能力の向上に取り組む一方で、電力消費の削減などに取り組んでいる。経済産業省の資料によれば、国内におけるインターネット内の情報通信量は2025年に121Tビット/秒と推計され、2006年実績に比べ190倍となる。また、ネットワーク機器の電力消費量は2025年に1033億kWhに達し、2006年実績に対し13倍となる見込みだ。ネットワンシステムズでは、「Compass-EOSが開発したシリコンフォトニクス技術は、通信業者向けルータの通信速度を向上させ、機器のサイズと消費電力を大幅に削減できる技術」とみている。
インターネット内の情報通信量やネットワーク機器の電力消費量は大きく増加する予測だ (クリックで拡大) 出典:ネットワンシステムズ
- 超高速タブレットが実現か、「チップ内」光伝送で消費電力も下がる
光を使った有線通信は高速で、電力消費が少ない。光の採用はまず光ファイバー利用の通信インフラ、次に筐体間接続、チップ間接続という順に広がってきた。最後は「チップ内」だ。プロセッサなどさまざまなチップ内で光伝送を利用できれば、タブレットなどのモバイル機器などでも光のメリットを享受できる。東京都市大学の研究チームは光伝送に必要なSi(シリコン)発光デバイスの大幅な改善に成功した。
- 「光FPGA」の実動デモをAlteraが披露、100GbEのトラフィックを伝送
FPGA大手ベンダーのAlteraは、光インタフェースを搭載したFPGAを開発し、その動作デモを実演した。通信機器内でFPGAが入出力する高速データの伝送を、銅線を使った電気通信から光ファイバーを利用する光通信に置き換えることを狙う。ネットワークインフラの帯域幅の急拡大に対応する取り組みだ。
- ビッグデータ時代の到来を支援、IBMが1Tビット/秒の光通信デバイスを開発
IBMの「Holey Optochip」は、ビッグデータ時代の到来に向け、高速データ伝送の実現を目指して開発された並列光トランシーバデバイスだ。試作品のデータ伝送速度は1Tビット/秒と高く、1ビット当たりエネルギー伝送効率は業界最高だという。
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