Freescale Semiconductor(フリースケール・セミコンダクタ)が2014年第2四半期の決算を発表した。前期比、前年比ともに増収増益となっている。特に中国の車載市場において存在感を高めているようだ。
Freescale Semiconductorは2014年7月24日、2014年第2四半期の決算を報告した。売上高は11億9000万米ドルで、2014年第1四半期の11億3000万米ドル、2013年第2四半期の10億4000万米ドルから増加した。粗利益率は45.1%、1株当たりの利益は28米セントとなった。
Freescaleのプレジデント兼CEOであるGregg Lowe氏によると、Freescaleの主要な5つの製品分野(マイコン、デジタルネットワーキング、車載用マイコン、アナログ、センサー)の2014年前半の売上高は、全体的に前年同期比で2桁成長を遂げた。
Lowe氏は、「当社の2014年第2四半期における売上高、利益、1株当たりの利益が前四半期から連続して伸びた他、前年同期比でも増加した。主要な5つの製品分野全てが成長に貢献し、シェアの一貫した伸びを後押しした」と述べた。
かつては無秩序に事業を広げたこともあったFreescaleだが、現在は車載市場に注力し、同分野で利益を出している。
Lowe氏は、Freescaleの現在の売上高のうち45%を車載関連の製品が占めると認めている。こうした製品には、車載用マイコンをはじめ、車載インフォテインメント向けのマルチメディアプロセッサ、センサー、レーダーなどが含まれる。
Freescaleの競合の中には、急速に成長する車載エレクトロニクスに参入することをようやく決断した企業もある。これに対し、Freescaleは10年ほど前から自動車メーカーとの関係を構築していた。自動車産業に入り込むには長期的な計画が必要であるが、Freescaleは他社に先駆けて成長機会を素早くつかみ取ることのできる、有利な立ち位置についている。特に同社のマイコンは、自動車のセーフティクリティカルな(安全性第一の)機能をターゲットに設計されていて、自動車メーカーの信頼を勝ち取るための基盤になっているという。
2014年前半は、Freescaleのマイコン部門とデジタルネットワーキング部門は25%成長した他、RF部門も40%の成長を遂げている。
2014年第2四半期におけるRF部門の売上高(無線インフラ市場向けパワーアンプの売り上げを含む)は1億2000万米ドルだった。特に中国で3Gおよび4Gネットワークの利用が増えたことにより、RFの売上高は前四半期から連続して伸びた他、前年同期比ベースでも増加した。
Lowe氏は、「中国に向けた戦略はまだ初期段階である」としながらも、極めてうまくいっていると述べた。2013年、Freescaleは中国に10もの事業所を設立し、中国での売り上げを実質的に伸ばしている。同社は中国の車載市場においても存在感を高めている。中国の車載向けマイコン市場において、Freescaleはルネサスに次いで第2位についている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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