トランスフォームがGaN評価ボードを一挙に展示、10月から日本で量産も:TECHNO-FRONTIER 2014(2/2 ページ)
横浜市に本社を構えるトランスフォーム・ジャパンは、福島県会津若松市にも事業所を置き、そこで製造技術管理や品質保証・試験、研究開発を行っている。同社は2014年10月にもGaNパワーデバイスの量産を開始する予定だ。ウエハー工程は富士通セミコンダクターの会津若松工場(6インチライン)を利用し、パッケージングは外部に委託する。販売は富士通エレクトロニクス(FEI)、UKCエレクトロニクス、飯田通商を通じて行う。
展示されていたGaNパワーデバイス(クリックで拡大)
Transphormおよびトランスフォーム・ジャパンが提供するGaN HEMTは耐圧600V品である。「GaNパワーデバイスでは、耐圧600V品がSiパワーデバイスに比べて最も有意性を発揮できるところであり、それ故市場も大きい。さらに、当社のGaNパワーデバイスは、米国の電子部品関連標準化団体であるJEDECの認証を受けている点も評価されている」(トランスフォーム・ジャパン)。
日本法人を設立したことで、Transphormは日本国内の顧客を手厚くサポートできる。トランスフォーム・ジャパンの担当者は「やはり日本語でやり取りできるというのは、顧客に対して大きなアピールポイントになる」と述べ、国内に拠点を置くことの重要性を強調した。
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