Appleが「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を発表した。ディスプレイは、かねてうわさされていた通り、iPhone 6が4.7インチ、iPhone 6 Plusが5.5インチと大きくなっている。プロセッサは64ビットの「A8」、コプロセッサとして「M8」を搭載している。さらに、NFCによる新決済システム「Apple Pay」も発表された。
2014年9月9日(米国時間)、30年前に「Macintosh(マッキントッシュ)」を発表した同じ会場で、Appleは「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を正式に発表した。9月12日に事前予約を開始し、翌週の9月18日に出荷を始める。両モデルに搭載される最新OS「iOS 8」は、9月17日よりダウンロードが可能になる。
以前からうわさされていた通り、ディスプレイサイズは、iPhone 6が4.7インチ(1334×750ピクセル、326ppi)、iPhone 6 Plusが5.5インチフルHD(1920×1080ピクセル、401ppi)の「Retina HDディスプレイ」である。厚さはiPhone 6が6.9mm、iPhone 6 Plusが7.1mm。「iPhone 5s」の7.6mmから、さらに薄くなっている。
両機種とも16Gバイト、64Gバイト、128Gバイトモデルの3つがある。米国での価格は以下の通り。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色を用意している。
iPhone 6 | iPhone 6 Plus | |
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16Gバイト | 199米ドル | 299米ドル |
64Gバイト | 299米ドル | 399米ドル |
128Gバイト | 399米ドル | 499米ドル |
プロセッサは64ビットの「A8」で、コプロセッサとして「M8」を搭載している(関連記事:iPhone 5s搭載「M7コプロセッサ」はNXP製マイコン――Chipworksが分解)。M8は、加速度センサーや角速度センサー、コンパス、そして新しく搭載される気圧センサーからのデータを収集する。
電池の持ちについて、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plusを比較する。
iPhone 5s | iPhone 6 | iPhone 6 Plus | |
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連続通話時間 | 3Gで最大10時間 | 3Gで最大14時間 | 3Gで最大24時間 |
連続待受時間 | 最大10日間(250時間) | 最大10日間(250時間) | 最大16日間(384時間) |
インターネット利用 | 3Gで最大8時間、4G LTEで最大10時間、Wi-Fiで最大10時間 | 3Gで最大10時間、4G LTEで最大10時間、Wi-Fiで最大11時間 | 3Gで最大12時間、4G LTEで最大12時間、Wi-Fiで最大12時間 |
ビデオ再生 | 最大10時間 | 最大11時間 | 最大14時間 |
オーディオ再生 | 最大40時間 | 最大50時間 | 最大80時間 |
さらに、近距離無線信技術であるNFCを搭載し、Appleが始めるモバイル決済サービス「Apple Pay」で利用できる。Apple Payは今回発表された中で最も注目すべきプロダクトだろう。AppleのCEOであるTim Cook氏は「物を購入する時の支払い方法が、がらりと変わるだろう」と強調している。Apple Payは、iPhone 6、iPhone 6、およびスマートウオッチ「Apple Watch」で使用できる。米国ではAmex、Mastercard、Visaに対応する。
なお、AppleのシニアバイスプレジデントであるEddy Cue氏によれば、Apple Payではクレジットカードの番号そのものを端末に保存することはないという。代わりに、カード番号ごとに暗号化したアカウント番号をセキュアエレメント(SE)に保存し、決済時にはワンタイムナンバーだけを店舗などに伝える仕組みになっている。iPhoneやApple Watchを盗難されたりなくしたりしても、カード番号が流出することはないとしている。さらにCue氏は、ユーザーの「プライバシー」をことさら強調した。Apple Payを使用しても、ユーザーがどこで何を購入したのか、Apple側に情報がいくことはない。ビッグデータへの注目が高まり、メーカーが顧客の情報をどれだけ集められるかに注力するようになっている中、Appleは顧客のプライバシーを最優先にしたようだ。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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