CEATECのシャープブースでは、0ルクスの暗闇でも動画がカラーで撮影できる「赤外線カラー暗視カメラ」の技術展示を行っている。今年中に製品化の予定だ。
CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)のシャープブースでは、0ルクスの暗闇でも動画がカラーで撮影できる「赤外線カラー暗視カメラ」の展示を行っていた。今年中(2014年11月ごろ)には製品化の予定だという。
同社が産業技術総合研究所(産総研)と共同で開発した赤外線カラー暗視撮影用の撮像素子を採用している。同技術は産総研が数年前から3板(3CCD)方式で開発を続けていたが(技術発表は2011年2月)、単板方式の撮像素子を同社と産総研で共同開発(技術発表は2014年5月)できたことで装置の小型化と低価格化を実現。量産化への技術が確立した。1975年のCCD開発スタート以来、約40年にわたり高感度/高精細のCCDを開発してきた同社のCCD技術によって実用化の目途が立ったというわけだ。
「物体の可視光領域の反射特性と赤外線領域の反射特性の間にある弱い相関関係に基づいて表色処理を行い、可視光下での被写体の色と同一かそれに近い色によるカラー画像を得るという技術。CCD側の信号処理としては可視光と同じような原理で行っている」(同社)。
暗視カメラの映像に“色が付く”ことでどんなメリットがあるのだろうか。
「モノクロが当たり前だった暗視カメラに“色”の情報が付加されることによって、これまでとは違うアプリケーションの可能性が広がっていく。例えば、病院の患者のモニタリングにこの暗視カメラを使えば、寝ている時でも患者の顔色を見たりできる。また、可視光を点けると起きてしまうような動物の観察も真っ暗の環境で行えるので、これまでモノクロ映像では発見できなかった事象が明らかになるかもしれない」(同社)。
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